研究概要 |
平成14年度の研究実績は次の通りである。 1.円筒型ダクトの直径(50mmφ)と長さ比を0.25と0.50とし、絞り角を6°,8°,10°とした翼型断面を持つダクトを5種類作成し、単独状態で中心軸上の流速分布を超小型(直径3mmφ)翼車式流速計で計測し、予想通り前縁付近で最大5〜12%減速されていることを確認した。 2.模型船として、タンカーモデル(長さ2.50m)を採用し、このプロペラ用に2種の円筒型ダクト(長さ直径比0.25、0.50、絞り角10°)を作成し、プロペラと組み合せてプロペラ性能の実験を行い、プロペラ性能が向上することを確認した。ただし、ダクトおよび支持棒の抵抗を差引くとプロペラ単独時より性能が低下した。 3.表面パネル法を用いて、ダクトまわりの流れを計算するプログラムを作成し、実験で得られた減速効果があることを確かめたが、量的には実験値は計算値の半分程度の値となった。原因を調査中である。 4.プロペラを無限翼数プロペラで表わし、パネル法で表わしたダクトと組合せて、プロペラ性能を求めるプログラムを作成し、プロペラ単独時と比べて、ダクト・プロペラ系の性能が改善される結果を得た。実験時のダクトの抗力と計算値の差を調査中である。
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