研究課題/領域番号 |
14655378
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70237072)
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研究分担者 |
岩井 卓 出光エンジニアリング(株), 技術部・(研究職)
宮本 英昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00312992)
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キーワード | 連続X線 / 質量吸収係数 / 吸収端 / 3相流体分布 / 多孔質媒体 / イメージングプレート |
研究概要 |
今年度は、石油系汚染物質の地盤内挙動に関する物理を明らかにするための定量的なデータ(水・石油系汚染物質、空気の間隙内分布)を得るための手法の一つとして、連続X線を二次元多孔質媒体に照射し、透過強度をイメージングプレートで計測することを試みた。ここでは、水および石油系汚染物質には、違った吸収端を持つ物質(水には塩化バリウム(0.331Å)、石油系汚染物質を模擬した材料にはヨードヘプタン(0.374Å))を溶解させ、各々の吸収端前後の質量吸収係数の変化を利用した手法を用いた。この手法では、間隙流体が2種類からなる場合には、各々の流体の空間分布を、非常に精度良く(誤差2.5%以内)、また、空間分解能も十分に高く(4mm^2グリッド)計測できることが明らかになった。しかし、間隙流体が3種類になった場合には、計測回数も多くなり、さらに、精度もそれほど高くならないという問題があることを明らかにした。これは、イメージングプレートが、波長分解能をもたない計測手法であることによっている。そこで、このような問題を解決するために、波長分解が可能なX線検出器を利用し、波長分解をすることによって、間隙流体分布をより定量的に評価することの可能性について予備的な検討を行った。その結果、波長分解可能なX線検出器によるデータを用いた場合には、間隙内3相の流体分布を、±10%程度のエラーで推定できる可能性を示したが、室内実験で求めている精度(±3%程度)と比較するとまだ誤差の多い手法となっており、その原因の追求を行っているところである。また、波長分解可能な検出器は、空間的な情報を一時に得ることができないために、そのデメリットをどのように解決していくか、その方法論の検討も行っている。
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