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2002 年度 実績報告書

植物篩管液からの長距離シグナリングメタボライトの検出

研究課題

研究課題/領域番号 14656026
研究機関東京大学

研究代表者

米山 忠克  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70124360)

研究分担者 藤原 徹  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80242163)
林 浩昭  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60180973)
キーワード長距離シグナリング / シグナリングメタボライト / 植物 / 篩管液
研究概要

根粒を着生し窒素固定するマメ科植物で、根粒着生数を制御するシグナル物質は、植物の葉部で作られ、篩管により根部に移行すると考えられる。本研究では、根粒着生数の普通なラインと根粒着生数が約10倍の超着生系統のダイズとインゲンからの篩管液採取の試みをおこなった。ダイズの茎から吸汁するとされるマルカメムシの成虫を野生のクズから採取し、マメの茎にOHPシートで作った小室に1匹ずつ入れた。マルカメムシが吸汁をはじめたら、それを当研究室で確立したレーザーによる口針切断を試みた。100回の切断で1回程度篩管液1μl得られるのみであった。これは吸汁動作が安定しないことによると考え、最終的な吸汁条件として、マルカメムシを実験の2日前にフラスコ内に移し、水のみを与える。実験前の2〜4時間水も与えずにおきマメの茎の小室に入れると、吸汁動作はそのあと1〜2時間後は安定する。これにより、80〜90%のマルカメムシは一斉に吸汁動作をおこなった。しかし篩管液が得られる効率は上がらなかった。マイクロスコープでレーザーにより切断された口針をみると、マルカメムシの吸汁口針は、外側の硬い殻と内側の細い針からなっており、レーザーをあてることにより、この2つが溶融するため、口針は切断されても篩管液が得られないことが判明した。ツマグロヨコバイも試みたが、吸汁動作が安定せず、篩管液はとれなかった。茎切断部からEDTA法により篩管液をとった。イネ篩管液からはシグナル物質のアミノ酸、グルタチオンを検出できた。長距離シグナリング研究の重要性についてフランス(平成14年7月)と日本(11月)のシンポジウムで発表した。また、日仏共同研究「植物の炭素、窒素同化のシグナリングと代謝ネットワークの分子基盤とその応用」(代表長谷俊治、Suzuki Akira)の日本側の研究協力者となり、本研究テーマを推進することになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kim TH, Takebe M, Engelaar WMHG, Kim H-Y, Yoneyama T: "Interaction between assimilation of fixed carbon and newly absorbed nitrate estimated by ^<13>C and ^<15>N tracing in intact spinach (Spinacia oleracea L.) plants"Journal of Plant Nutrition. 25. 1527-1547 (2002)

  • [文献書誌] Yoneyama T, Ito O, Engelaar WMHG: "Uptake, metabolism and distribution of nitrogen in higher plants traced by enriched and natural ^<15>N"Stable Isotope Techniques for the Analysis of Plant Metabolism. Abstract. 191-191 (2002)

  • [文献書誌] Yamasaki A, Yoneyama T, Tanaka F, Tanaka K, Nakashima N: "Tracer studies on the allocation of carbon and nitrogen during flower induction of strawberry plants as affected by the nitrogen level"Acta Horticulturae. 567. 349-352 (2002)

  • [文献書誌] 米山 忠克: "植物栄養学とは"シンポジウム「21世紀の食糧・環境問題解決に向けて」. 講演要旨集. 3-8 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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