研究課題/領域番号 |
14656038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 憲二 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70109049)
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研究分担者 |
片山 高嶺 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (70346104)
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キーワード | プロバイオティックス / 乳酸菌セラピー / ラクトバチルス層乳酸菌 / T7RNAポリメラーゼ / ラクトースプロモーター / β-グルクロニダーゼ遺伝子 |
研究概要 |
本研究はプロバイオティックスとしての乳酸菌の機能をより一層高めるために宿主腸管との高い接着能や有用物質の分泌能を乳酸菌に賦与させようと言う企てで行ったものである。目的の乳酸菌を得ることができれば、腸管に接着する病原性細菌の排除などが可能であり、乳酸菌によるセラピーを具現化することが可能になる。 本年度は異種タンパク質を乳酸菌で発現させるための異種タンパク質発現系の構築を試みた。先ず、T7RNAポリメラーゼ遺伝子をラクトースプロモーターの制御下に置いたプラスミド(pKM143)を構築するとともに、レポーター遺伝子として大腸菌β-グルクロニダーゼ遺伝子をT7プロモーターの制御下においたプラスミド(pKM143)を構築し、両プラスミドをLactobacillus casei102Sにエレクトロポレーション法にて導入した。この組換え菌をラクトースを添加した培地で培養するとβ-グルクロニダーゼ活性が誘導され、異種タンパク質を誘導発現する系が構築できた。しかし、この系においてはグルコース培養時(非誘導条件下)において発現の抑制が見られた。これはβ-グルクロニダーゼ遺伝子を挿入したプラスミド上のCm^Rの転写が完全には終結せずに、300塩基下流から始まるβ-グルクロニダーゼ遺伝子の転写も続いて進行するために活性が高くなると考えた。そこで、Cm^Rとoriをお互いに逆の位置に挿入したところ、非誘導条件下における活性が抑制された。この系を用いることによってラクトース誘導下でβ-グルクロニダーゼ活性が30倍以上高発現され、異種タンパク質の発現誘導を行なう系として有効であることが明らかになった。
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