研究課題/領域番号 |
14656068
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 順一 京都大学, 農学研究科, 教授 (80115782)
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研究分担者 |
大澤 直哉 京都大学, 農学研究科, 講師 (10221821)
武田 博清 京都大学, 農学研究科, 教授 (60109048)
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
大園 享司 京都大学, 農学研究科, 助手 (90335307)
坂本 正弘 京都大学, 農学研究科, 講師 (40303870)
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キーワード | セルロースハイドロコロイド / ヤドリギ / バジル / セルロース / ヘミセルロース / コンポジット / ナノセルロースミクロフィブリル / viscin組織 |
研究概要 |
直径が3nm以下のナノセルロースミクロフィブリルを含むハイドロコロイドがヨーロッパヤドリギ、Viscum album L.、我国産の黄色ヤドリギ及びアカミヤドリギの果実及びバジルの種子の外珠皮に存在していることを確認した。ヤドリギの場合では、セルロースミクロフィブリルはviscinと呼ばれる組織中に存在するロープ状の細胞中に細胞の長軸に対して直角の方向にコイル状にパックされていた。ヨーロッパヤドリギと我国産のヤドリギでは、ハイドロコロイドの化学組成は似ているが、viscin組織の果実内の分布と形態が異なることを明らかにした。一方、バジルの場合では、Ocimum属に共通して種子の外珠皮に存在する筒形の細胞内にコイル状にパックされている。これらの細胞が含水するに伴ってセルロースミクロフィブリルはほどけて周囲に広がっていくことを見出した。ハイドロコロイドは一種のセルロース-ヘミセルロース性の多糖のコンポジットであった。両ハイドロコロイドには(1,4)-結合したキシランとグルコマンナンの他に高度に分岐したアラビノガラクタンが含まれていることがメチル化分析の結果明らかとなった。ハイドロコロイドの部分酸加水分解によりグルコマンナンタイプのヘミセルロースがセルロースと密接な関係にあり、酸性の多糖が水不溶性のセルロースをコロイド状態に保つ役割をしていると考えられた。さらに、バジルの品種によりハイドロコロイドの形成時における種子表層の構造変化及び、ハイドロコロイドの化学組成に差があることをも見出した。
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