研究概要 |
(1)BrdU/DGGE法による活性細菌群集の解析 平成14年5月広島大学教育研究船豊潮丸の航海において、広島湾及び伊予灘の計8測点の表面海水を採取し、BrdU/DGGE法による活性細菌群集の解析を行った。約1ヶ月間スクリプス海洋研究所において海外共同研究者と共に解析方法の検討を行った後、採取した試料の解析を行った。その結果、活性細菌の群集組成が場所によってダイナミックに変動する様子が明らかとなり、その中にはVibrio属を含む数種類のβ、γ-Proteobacteriaグループの細菌が含まれることが分かった。これらの結果は、本年9月の国際学会で発表予定である(Hamasaki, K., Taniguchi, A., Long, A.L. and Azam, F(2003)"Phylogenetic Analyses of Bacterial Community Structure and Actively Growing Bacteria in Coastal Waters." 6^<th> International Biotechnology Conference)。 (2)Single-cell BrdU法 Cytophaga-Flavobacteriaグループの海洋細菌8株を用いて、増殖速度とBrdUシグナル強度との間に有意な相関が認められた。このことは、自然海水中の海洋細菌群集の一細胞増殖速度をモニターできる可能性を示している。この結果は、昨年9月の国際学会で発表した(Hamasaki, K., Adam, F. (2002)" Single-cell-based measurement of the growth rates of marine bacteria associated with phyto-detritus." 2002 SCOR-JOS Joint meeting in Sapporo. P209:389)。特異的なプローブを用いたFISHとの併用については、最適条件が見つかっておらず、引続き検討が必要である。
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