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2002 年度 実績報告書

ウミガメの繁殖生理と人工繁殖に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14656102
研究機関岐阜大学

研究代表者

土井 守  岐阜大学, 農学部, 助教授 (60180212)

キーワードアカウミガメ / 性ステロイドホルモン / カルシウム / 卵殻構造 / 発生過程 / 卵胞発育
研究概要

今年度行った研究は、和歌山県日高郡南部町千里の浜に産卵のため上陸したアカウミガメから採取した卵を、自作した孵卵器で卵の頂点の位置を変えて孵卵した場合の孵化率と胚の発生状況を調査し、さらに飼育下での雌雄アカウミガメの血中性ステロイドホルモン濃度の動態と透過性・非透過性カルシウム濃度の動態を明らかにした。
1.90°転卵区で産卵48時間後、また180°転卵区では9時間後まで正常に発生は進行したが、35時間後では全ての発生が停止した。また走査型電子顕微鏡での観察の結果、アカウミガメの卵殻には一様にドーム状構造が観察され、卵殻膜内側では不規則に走行したコラーゲン繊維が認められたが、発生過程におげる卵殻や卵殻膜構造の変化は確認できなかった。
2.飼育下雌個体における血中非透過性カルシウム濃度は、4〜5月に最も高い値を示し、超音波診断から多数の卵胞が腹腔内に観察されたことから、この時期に卵胞発育が起こったと考えられた。しかし、この期間の血中プロジェステロン濃度が低い一定の値を示し、排卵は行われなかった。また、、雄の血中テストステロン濃度は、測定開始時の1月以降5〜6月にかけて高い値を維持し、特に3〜4月で激しい変動幅が確認され、同時期に追尾などの性行動も観察されたことから、雄の繁殖行動と関連性があるものと思われた。
3.当初海外での調査を予定していたが、各国が未だにワシントン条約の非批准国であったことや治安の問題から、血液のサンプリングなどが不可能となった。そこで、ウミガメ以外のカメ目(スッポン、アカアシガメなど)を対象として、発生過程における卵諸構造の変化や転卵による発生の中止についての研究を行った。それらの結果、発生の進行に伴ない胚に近い卵殼部から白濁が進行したが、白濁部には特に構造上の変化は認められなかった。また、スッポンでは、転卵による発生の停止はほとんど認められなかった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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