研究課題/領域番号 |
14656108
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 智正 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10100174)
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研究分担者 |
浅野 淳 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90312404)
森 匡 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30230072)
上田 純治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50002374)
大原 睦生 北海道道立畜産試験場, 企画調整室, 室長
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キーワード | ニワトリ / Mx遺伝子 / インフルエンザウイルス / アミノ配置換 / 感染実験 / 実験家系群 / 遺伝子多様性 / 実用鶏 |
研究概要 |
わが国でも、ニワトリインフルエンザウイルス症が発生し、社会を震憾させるだけでなく、多数のニワトリが焼却処分されたり近隣の集団の移動禁止措置がとられたりすることで、畜産関係者に大損害を与えた。これまで感染症はワクチンの利用が最も効果的であったが、最近流行する病原体は分子進化が早く、ワクチンが効かない場合が多い。一方で、感染症に対して個体差が存在することが経験的に知られており。この形質が科学的に解明された場合、抗病性家畜の育種が可能となる。私たちは、すでに30品種以上のニワトリを用いてMx遺伝子の多様性と抗病性研究を行い、in vitro感染実験の結果、631番地のアミノ酸がAsnの場合抵抗性、Serの場合感受性であることを明らかにした。この変異を(独)家畜改良センター岡崎牧場と連携して実用鶏の調査をした。その結果、抵抗性遺伝子と感受性遺伝子が全体でほぼ50%ずつと、混在していることが明らかとなった。大学内のニワトリ飼育施設では、ロードアイランレッド系を用いて、抵抗性ホモ型、感受性ホモ型、およびそれらのヘテロ型を産出する実験家系群を作成し、これらを用いてin vivo感染実験を行ったところ、抵抗性Mx遺伝子を持つ個体は相対的にインフルエンザウイルスに強いことが判明した。現在、抗病性実用鶏品種の作出を目指すとともに、抵抗性Mx遺伝子を利用したニワトリ選抜法に関して特許の出願を提出したところである。
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