研究分担者 |
堀内 基広 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (30219216)
松井 高峯 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40111116)
古林 与志安 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20301971)
品川 森一 動物衛生研究所, プリオン病研究センター, センター長
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研究概要 |
(1)プリオン蛋白の免疫組織化学的迅速法の開発,および検出感度向上のための条件の検討 研究レベルでの免疫組織化学法によるプリオン蛋白の検出には,蟻酸処理による感染性の不活化,オートクレーブ処理による抗原の賦活化といった前処理が必要なことから,標本の固定から免疫染色の終了までにはおよそ24時間以上の時間を要している.本研究では,様々な市販のキット,特にポリマー試薬を組み合わせることで,前処理を省略することなくおおよそ半分の12時間にまで固定から免疫染色終了までを短縮させ,免疫組織化学的迅速法として確立することができた.現在,この成果は厚生労働省のBSE確認検査として実際に応用されている.また,現在汎用されている抗体では,蟻酸処理により抗原性が減弱することから,新たな抗原賦活化法を開発し,検出感度を向上させることができた.さらに,この新たに開発した方法は,検出感度の向上ばかりでなく,ホルマリンに長く浸したことにより,これまでの方法ではほとんど陽性所見が得られないような材料についても充分な陽性所見を得ることができた. (2)新規抗体の免疫組織化学的スクリーニング (1)で検討した様々な抗原賦活化法を用いて,市販されている抗体を含め,これまでに開発された抗体17種類について免疫組織化学的に検討を行った.抗体はその抗原認識部位から2種類に分けられ(連続するエピトープを認識する抗体,非連続するエピトープを認識する抗体),それぞれにより適する抗原賦活化法が異なることが明らかになった.この結果より,これまで不明であったプリオン蛋白に対する免疫組織化学的手法の原理についてモデルの構築を試みた.
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