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2002 年度 実績報告書

植物の新規な遺伝子ベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14656127
研究機関東京農工大学

研究代表者

福原 敏行  東京農工大学, 農学部, 助教授 (90228924)

キーワード遺伝子ベクター / 2本鎖RNA / RNAレプリコン / イネ / カルス / パーティクルガン / プラスミド / ハイグロマイシン
研究概要

日本型イネには、宿主に明確な病徴を示さず、種子及び花粉による垂直伝播のみが認められるといったプラスミド様性質を示す2本鎖RNAレプリコンが存在する。本研究は、イネ2本鎖RNAのプラスミド的な諸性質を利用して、植物における全く新しいタイプの遺伝子ベクター開発を目的とする。現在実用化されている植物遺伝子ベクターは、いずれも宿主ゲノムDNAに外来遺伝子DNAを組込むタイプのものであるが、細胞質でRNA分子のまま複製するタイプの遺伝子ベクターを想定している。
遺伝子導入用コンストラクトは、イネ2本鎖RNAの両末端をRT-PCRで増幅しT7プロモーターを付加したDNA断片に、選抜マーカー遺伝子としてハイグロマイシン抵抗性遺伝子を組み込んだものを作製した。このベクターコンストラクトよりin vitroで転写したRNAを直接パーティクルガンで2本鎖RNAを保持するイネカルスに打ち込んだ。打ち込んだRNAは、複製酵素を欠いているため、それ自身では複製できないが、2本鎖RNAを含むカルスに導入することにより、内在する2本鎖RNAがコードする複製酵素により複製し、ベクターとして機能することを期待している。本年度は、RT-PCRで増幅する2本鎖RNAの両末端について300bp-1,000bpの範囲で種々の長さのコンストラクトを作成、2本鎖RNAを持つイネカルス(日本晴品種)に導入し、ハイグロマイシン添加培地で選抜後、イネ植物体を再生させ、再生植物体からRNAを単離し、導入したRNAおよび2本鎖RNAの有無をノーザンハイブリダイゼーションにて解析した。6個体を解析したが、いずれの個体も導入したRNAは検出されず、ハイグロマイシン選抜時にエスケープした植物体であった。現在、RT-PCRで増幅する2本鎖RNAの両末端を約2kbに増やし、新たなコンストラクトを作成中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Harada A, Fukuhara T., Takagi S.: "Plasma membrane H^+-ATPase under control of photosynthesis in Vallisneria leaves. II Presence of putative isogenes and a protein equipped with a C-terminal autoinhibitory domain"Planta. 214・6. 870-876 (2002)

  • [文献書誌] Muramatsu Y, Harada A., Ohwaki Y, Kasahara Y, Takagi T., Fukuhara T.: "Salt-tolerant ATPase activity in the plasma membrane of the marine angiosperm Zostera marina L"Plant and Cell Physiology. 43・10. 1137-1145 (2002)

  • [文献書誌] Koga R., Horiuchi H., Fukuhara T.: "Double-stranded RNA replicons associated with chloroplasts of a green alga, Bryopsis cinicola"Plant Molecular Biology. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 福原敏行: "植物の細胞内に共生する2本鎖RNAレプリコン"化学と生物. 40・8. 500-502 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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