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2003 年度 実績報告書

内耳原基の器官培養系を用いた内耳の形態形成機構と内耳奇形発生のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 14657005
研究機関京都大学

研究代表者

塩田 浩平  京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)

キーワード耳胞 / 内耳 / 神経堤細胞 / マウス胎児 / 器官培養 / TGFβ / Snail / slug
研究概要

1.昨年度までに開発したマウス胎児の耳胞(内耳原基)の器官培養法を改良する目的で、培地など培養条件を変えて耳胞の分化を調べた。胎生10.5日のマウス胎児からコラーゲナーゼ処理によって耳胞を単離した。これをマトリゲル内で培養し、耳胞を発育させることに成功したが、この系は神経堤細胞の遊走と分化を観察するには十分でなかった。そこで、コラーゲンコートディッシュ上で耳胞を培養したところ耳胞が発育して初期形態形成が観察され、更に耳胞から神経堤細胞が分離して遊走することを観察することが可能になった。この系で種々の発生段階のマウス胎児の耳胞の分化を観察したところ、神経堤細胞の遊走と分化を調べるためには10.5日のマウス胎児の耳胞が最適であることが明らかになった。
2.耳胞から遊走した神経堤細胞が耳神経節を形成するとされているが、それをin vitroで観察した研究は少ない。上述の培養系で胎生10.5日マウス胎児の耳胞を培養し、培地にTGFβを添加したところ、非添加群に比べて神経堤細胞の遊走が増加し、耳胞の発育も有意に促進された。このことから、耳胞の発育とニューロンの分化にTGFβが関与していることが示唆された。なお、内耳の分化に及ぼすSnail/slugの役割を調べるため、培養開始時にエレクトロポレーション法によってSnail/slug遺伝子を耳胞内へ導入し、耳胞の器官培養を行ったが、処理群の耳胞の発育は非処理対照群と有意の差がなく、Snail/slugの役割は明らかでなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Saitsu, H., et al.: "Spatial and temporal expression of folate-binding protein 1 (Fbp1) is closely associated with anterior neural tube closure in mice"Developmental Dynamics. 226・1. 112-117 (2003)

  • [文献書誌] Komatsu, S., et al.: "A quantitative study of the facial nerve in mice prenatally exposed to ethanol"Congenital Anomalies. 43・1. 41-45 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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