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2003 年度 実績報告書

エンドソーム形成の分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 14657033
研究機関神戸大学

研究代表者

中村 俊一  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40155833)

研究分担者 岡田 太郎  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80304088)
三輪 教子  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50202354)
JAHANGEER Saleem  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80314475)
キーワードスフィンゴシン1リン酸 / スフィンゴシンキナーゼ / 初期エンドソーム / RPK118 / PXドメイン / 酵母ツーハイブリッド法
研究概要

スフィンゴシン1燐酸(SPP)は酵母からヒトに至る真核生物に広く存在し、強力な細胞増殖促進能やアポトーシス抑制能を有する脂質情報伝達物質である。SPPの作用点として細胞外からの作用と細胞内での作用が以前から想定されてきた。しかしながら、SPPの細胞内での作用点は依然不明のままであった。我々は最近、酵母・ツーハイブリッド法を用いてSPPの産生酵素であるスフィンゴシシ・キナーゼ1(SPHK1)に対する新規なソーティング分子RPK118を発見した。
RPK118は分子量118Kの可溶性タンパク質で、分子内にPX領域、ESP領域、偽キナーゼ領域1,2等の他のタンパク質との構造上の類似領域を含むことを構造解析の結果明らかにした。このPX領域は細胞の小胞輸送に必要な初期エンドソーム膜に結合する際のセンサー部位として働くことを証明した。また、ESP領域は他のタンパク質との結合に関与するらしい。偽キナーゼ領域1及び2に関しては今回の構造解析の結果初めて明らかにされたドメイン構造であり、タンパク質合成の際に必要なリボゾームS6キナーゼに構造上頼似しているが、キナーゼ活性に必須なアミノ酸が欠如しているためにこのように命名された。RPK118はこの偽キナーゼ領域2に於いてSPHK1と結合し、SPHK1を初期エンドソームにソーティングすることが分かった。細胞に偽キナーゼ領域2のみからなるフラグメントを発現させるとSPHK1が初期エンドソームに集積しなくなり、初期エンドソームの形態異常が観察された。
これらの知見は現在まで不明であったSPPの細胞内での作用点の理解に重要な知見を提供するものであり、また、SPPの作用が細胞内小胞輸送の調節に関与する可能性を強く示唆しており、今後の医学への応用、新薬の開発に期待が持てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nobuaki Igarashi: "Sphingosine kinase 2 is a nuclear protein and inhibits DNA synthesis"Journal of Biological Chemistry. 278. 46832-46839 (2003)

  • [文献書誌] Masahiro Oka: "PKCδ inhibits PKCα-mediated activation of phospholipase D1 in a manner independent of its protein kinase activity"FEBS Lett.. 554. 179-183 (2003)

  • [文献書誌] Shun Hayashi: "Identification and characterization of RPK118,a novel sphingosine Kinase-1-binding protein"Journal of Biological Chemistry. 277. 33319-33324 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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