研究課題/領域番号 |
14657068
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研究機関 | 岡山学院大学 |
研究代表者 |
友近 健一 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (00093691)
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研究分担者 |
矢尾 謙三郎 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (50032892)
篠田 純男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50029782)
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144760)
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キーワード | 未知細菌 / Nanobacteria / リボタイピング / Staphylococcus saprophyticus / Micrococcus / オステオポンチン |
研究概要 |
研究代表者等は、患者から摘出した尿路結石をアルコールで消毒後、血清及び抗生物質を添加しないダルベッコーMEM培地に入れ37℃、10%炭酸ガス条件で長期にわたり培養を行うと2〜5μm径の小単位の結石様物質が培養皿全面に増加してきた。この結石様物質を植え継ぎすると再び増加してきた。この様な生命体の例としてCiftcioglu等の報告しているNanobacteriaが想定された。その後も多くの尿路結石から同様の生命体が分離され、我々はこれをNanobacteriaとして細菌学的解析を加えた。増殖形態としては、小単位の結石様物質が分裂又は出芽様の形式でおこる場合と培養液表面に浮遊して分裂する形式が観察された。この小単位を電子顕微鏡で観察すると結石の内部に細菌様の構造が観察された。 細菌であるか否かを明らかにする目的で培養液全体からDNAを抽出し、リボタイピングを行った。その結果、一部変異が存在するもののStaphylococcus saprophyticusに相当することが明らかになった。結石様物質の培養を低温条件にさらした試料からMicrococcus様の細菌が分離された。しかし、この細菌の増殖は著しく遅く、倍化時間は数時間に及び従来のグラム陽性球菌とは著しく性質が異なっていた。他の結石から得たDNAを用いてリボタイピングした結果も菌種は異なるもののグラム陽性球菌に相当する塩基配列が得られた。 今後は、分離した細菌がヒトなどの造骨に関係するオステオポンチン様のタンパク質を産生しているのか、あるいは分離した細菌がどの様な過程をへて石灰化するかに検討を要する。
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