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2002 年度 実績報告書

レンサ球菌の細胞侵入性に関わる因子の同定とその機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14657070
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

秋山 徹 (三好 徹)  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20246466)

研究分担者 加藤 秀人  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
キーワードA群レンサ球菌 / クローニング / ポストゲノム / STSS / 付着性
研究概要

劇症型A群レンサ球菌(GAS)感染症(STSS)と呼ばれるGAS感染症では血清型別でM1型の菌が高頻度に分離される。STSSでは通常無菌であるべき体組織への強いGASの侵襲が認められ、これが本感染症に特徴的な多臓器不全と軟部組織壊死の重要な要因であると考えられるが、M1型GASの細胞侵襲性因子について不明な点が多い。そこで他のM型菌で重要な侵襲性因子であることが報告されているプロテインFという侵襲性因子の相同性を元に、M1型GASで類似因子の検索を行った。すでに解析が完了しているM1型GASの全ゲノム配列に対しての検索の結果、CPA1と名付けたプロテインFに約50%の相同性を持つ因子が同定された。CPA1は他のM型菌にも存在するCPAというコラーゲン結合蛋白質と推定されている蛋白質と遺伝子レベルで50%程度の相同性を示し、サザンハイブリダイゼーション実験からは、M1、M3、M4およびM12型GASのうちM1型にのみ特異的に存在した。組み換え型CPA1はフィブロネクチンには結合したがコラーゲンとは結合しなかった。分別抽出実験からM1型GAS菌体においてCPA1は細胞表層には発現していないと考えられた。CPA1を過剰発現させたM3およびM4型GASと、それらの親株との間で、動物細胞付着性および侵入性に有意な差は認められなかった。現在、CPA1を欠落させたM1型GAS菌を作成中であり、これを用いてさらにCPA1のM1型GASでの機能を解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Miyoshi-Akiyama T et al.: "Quantitative and qualitative comparison of virulence traits including murine lethality among emm-type group A streptococci"J. Infect. Dis. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Miyoshi-Akiyama T et al.: "Streptococcus dysgalactiae-derived mitogen (SDM), a novel bacterial superantigen. Characterization of its biological activity and predicted tertiary structure"Mol Microbiol.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Monze M et al.: "Species specific responses to bacterial superantigen"J. Tokyo Wom. Med. Univ.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Arimura Y et al.: "A co-stimulatory molecule on activated T cells, H4/ICOS, delivers specific signals in T(h) cells and regulates their responses"Int Immunol.. 14(6). 555-566 (2002)

  • [文献書誌] Chen L et al.: "Continuous exposure of mice to superantigenic toxins induces a high-level protracted expansion and an immunological memory in the toxin-reactive CD4+ T cells"J. Immunol.. 168(8). 3817-3824 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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