研究概要 |
本年度において、hCP36279,hCP43171,hCP23759,HSPC240をクローニングした。これらの細胞内局在を検討すると、それぞれ膜局在を示した。さらに、これらをB細胞に導入し抗原提示関連分子の変化を検討した結果、hCP36279にMHC class II, B7-2を強力に抑制する活性を見い出した。hCP36279はE3ユビキチンリガーゼの活性domainであるRING domainと類似構造を持つPHD/LAP domainを持つため、そのE3ユビキチンリガーゼ活性を調べた。その結果、B7-2を有意にユビキチン化する事、さらにそのユビキチン化がB7-2の分解に重要である事を見い出した。これらの機構、機能はヘルペスウイルスK3/MIR1,K5/MIR2蛋白と類似している事よりこの分子をc-MIRと名付けた。これらの結果はThe Journal of Biological Chemistryに受理された。さらに、hCP36279と相同性の高いCAD28529、HSPC240と相同性の高いXP-055279のクローニングを終え、その解析を行っている。現在、c-MIRに注目しその生理機能の探索、さらにはその人為的免疫制御への応用の可能性を検討している。具体的には、c-MIRの抗体を用いた組織化学的検討、さらはmRNAレベルにおける組織分布を詳細に検討している。また、c-MIRのトランスジエニックマウスを作成しており、すでに3匹のfounderを得ている。
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