研究課題/領域番号 |
14657086
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
辻村 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20293821)
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研究分担者 |
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60077691)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40311724)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (90236175)
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キーワード | 手話通訳者 / 頸肩腕障害 / 筋電図 / 筋緊張 / 音声言語刺激 |
研究概要 |
【目的】 手話通訳者における『音声』に対する筋緊張の有無を実験的に検討する。 【方法と対象】 安静椅座位を保たせた被験者に、音声言語(講演)および音声言語がない音楽を約10分ずつ聴かせ(講演4課題、音楽2課題)、左右の上部僧帽筋と上腕二頭筋の表面筋電図を測定した。解析は、各課題毎に、Ve=V(実効値)-Vrelax(安静時平均実効値)を0.1秒毎に算出し、(1)「Veが閾値を1秒以上連続して超過している区間」の総時間の解析可能時間に対する割合、および(2)「Veが閾値を超過した時点を開始とし、ある時点後から1秒以上連続して閾値以下になった時点を終了とした区間で、その長さが1秒以上ある区間」の総時間の解析可能時間に対する割合を、筋緊張「有」割合として算出した。なお、閾値は測定機器のノイズレベルの2倍とした。被験者は、「人の話を聞いていると頸・肩・腕が痛くなる」症状を有しインフォームド・コンセントが得られた手話通訳者10名(ケース群)と、手話を知らない者で、性、年齢、喫煙の有無をケースとマッチさせた10名(コントロール群)とした。 【結果と考察】 講演を聴けていなかったり体動の多い者を除いたケース8例と対応するコントロール8例を解析対象とした。ケース・コントロール別に左右僧帽筋のどちらかに筋緊張が認められた課題数を集計すると、講演課題(n=32)では、評価法(1)の場合、ケースで14(44%)、コントロールで3(9%)、また、評価法(2)の場合、ケースで20(63%)、コントロールで8(25%)あった。音楽課題(n=16)でも、評価法(1)の場合、ケースで2(13%)、コントロールで3(18%)、また、評価法(2)の場合、ケースで6(38%)、コントロールで4(25%)あったが、ケースとコントロール間で出現率に差はなかった。いずれの評価法でも、音声言語によって誘発されたと判断できる筋緊張が確認された。
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