近年、禁煙指導が様々の施設で行われており、禁煙指導による禁煙成功率、ニコチン補充療法やその他の禁煙方法など禁煙指導方法について、研究されている。喫煙習慣や易禁煙性と遺伝子要因についても研究されてきているが、これらについては、まだ十分に検討されておらず、実用レベルに至っていない。また、個別禁煙指導において、易禁煙性を客観的に評価し、それぞれに応じた指導はなされていない。今後、禁煙指導の普及にあたり、個々の症例に合った指導方法が、必要になってくると考えられる。喫煙関連遺伝子の解析よる喫煙に対する個人の感受性要因と、既に禁煙指導の際、普及している呼気中CO濃度の測定、末梢血WBC数、ファガストローム依存度テストとの関連性をみた研究はない。今回、遺伝子的検索とこれらの検査結果を検討し、個人の易禁煙性を明らかにすることを目的とした。本年度は症例の収集と遺伝子型同定の精度評価を中心に行った。対象者は地域健康診断・人間ドック受診者、某企業勤務者のなかで禁煙を希望する方で、書面によるインフォームドコンセントにて同意の得られた方より、問診、採血、検尿、呼気中のCO濃度の測定、禁煙指導を行い、本研究の対象者とした。現在40名をリクルートした。遺伝子型同定精度実験として、チトクロムP450 2A6、グルタチオンSトランスフェラーゼ、インターロイキン1β、5-HTTLPRの遺伝子多型の同定を行い、RFLP法等による同定を塩基配列決定法により確認してその精度を評価した。
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