研究課題/領域番号 |
14657095
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
向 文緒 名古屋大学, 医学部, 助手 (40332697)
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研究分担者 |
美和 千尋 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60200226)
鈴木 國文 名古屋大学, 医学部, 教授 (80115485)
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キーワード | 広汎性発達障害 / 虐待 / 予防 / 作業療法 / 知的障害 |
研究概要 |
PDDを含む知的障害児に対する虐待の実態を明らかにし、知的障害児の虐待予防における作業療法士の働きかけの有効性を検討することを目的に研究を開始し、14年度から15年度にかけて、一般保育園児の親、療育施設に通う児の親、及び1.5歳児検診で知的障害が疑われたが、療育施設に通所していない児(以下非通所児)の親の3群の虐待に関する認識と実態、親の生活環境と育児不安、及び求めている援助を明かにする実態調査を行った。その結果、PDDを含む知的障害児及び障害が疑われる児の親に対する、子どもの特徴にどのように対応するかという具体的な育児技術を高める支援の必要性が示唆された。 本年度は、14・15年度の結果をまとめて論文作成した。 さらに、「育児」=「作業活動」「虐待」=「育児という作業活動の障害」と捉えて、母親自身を対象とした作業療法的介入をすることが虐待予防において有効に機能する可能性があると考え、虐待の危険性を持ちながら保健・医療の網の目からこぼれている母親が利用することが予想される、育児支援センターや地域の学童保育などにおける介入観察を行った。その結果以下のような知見を得た。 1.育児支援センターは、幼児期の母子だけでなく学童の夕方の居場所になっている。 2.介入観察を通して虐待が疑われるケースを発見することができる。 3.軽度発達障害が疑われる学童については、介入観察を通して学校におけるマルトリートメントが疑われるケースを発見することができる。 4.OTには、医学的立場から子への接し方の指導を求められる。 5.介入が必要な母親の来所は少なく、電話相談が中心となる。来所できない母親への支援策が必要である。
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