研究課題/領域番号 |
14657101
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
井谷 徹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00072661)
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研究分担者 |
武山 英麿 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50347407)
城 憲秀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10137119)
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キーワード | 障害者 / VDT作業 / 表面電極筋電図 / 作業負担 / 局所筋負担 / Borg's New RPE |
研究概要 |
身体障害者のVDT作業改善効果を検討することを目的として、頸椎障害者(電動車椅子利用)の方に協力して頂き、実験的研究を実施した。実験条件は、障害者の作業改善策に有効と思われる(1)肘保持対策、(2)作業面高の調整、について、VDT作業中の局所筋負担を測定した。局所筋負担は短橈側手根伸筋、肩部僧帽筋、三角筋前部・中部の表面筋電図をAPD分析した。また、作業パフォーマンス、作業姿勢変化(ビデオ画像分析)、主観的疼痛度調査(Borg's New RPE)などについても測定し、総合的に分析を行った。 結果として、(1)下肢ならびに上肢の一部に感覚障害があり即時的な疲労を感じないため、恒常的に無理な姿勢拘束が発生していること、(2)感覚障害があるため、従来からある自覚的疲労感を調査する手法を用いる際には特別な配慮が必要なこと、(3)VDT作業時における上肢筋負担低減策として従来から用いられてきたアームレスト・パームレストは、障害者には必ずしも効果的ではないこと、(4)作業面高調整により作業環境が変化すると、自律的に体幹変化をとりにくいために柔軟な適応ができず、肩部など局所的に筋負担が増加すること、などが明らかになった。以上のことから、健常者に有効な作業負担低減策をそのまま障害者に当てはめることには慎重にすべきであり、個々の障害の身体特性、個人差を考慮した対策を検討する必要性が示唆された。 以上の結果をふまえ、今後は複数の障害者の方に協力を得て、障害者のVDT作業に有効な改善策を検証する予定である。
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