初年度の調査に基づいて前年度に作成したホームページを公開した。同時にホームページの閲覧を促すアイキャッチャーとしてポスターを作成し学内に掲示した。ポスターの内容は直接的なものより、印象に訴えることを試みた。当初予定していた映像によるEnter-Edutamentの教材は構内放送設備の制限や予算の不足により中止の止むなきにいたった。ホームページ公開から6ヶ月のincubation timeを設けて、30名の学生を対象にfocus group interview法による質的研究を行った。この学生構成は男女、文系理系別で等しくした。その結果、ホームページを見たところ、成人麻疹に対する情報として設定したメッセージが理解され認識を変えたとする意見が多く、内容的にはほぼ妥当なものと考えられた。しかし、ホームページの存在はあまり知られておらず、ポスターを見て閲覧の動機となるという意見とイメージが先行して関心が惹起されないという意見に分かれた。このことより、インターネットを用いて健康コミュニケーションを実施する場合には、いかにホームページを見るように動機づけるかが大きな課題となることがわかった。その反面、インターネットを通じて提供される情報についてはあまり批判的ではなく受け入れられる可能性が高く、健康コミュニケーションで用いる有用性も示唆された。また、今回は受け取るメッセージを3つに限定してゴール設定をしたが、この限定が妥当なもので、情報量としての適切さが明らかとなった。本研究では開始時点から専門家によるプログラム開発としたが、より普及させるためには受け手である学生を計画時より参加させるSocial Learningの手法を用いたほうが適切であったことがわかり、今後の課題として残った。
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