研究概要 |
本研究は、遺伝子型が前臨床状態の検査測定値へ及ぼす影響を検討する事を目的とする。動脈硬化の一原因と考えられるClamidia pneumoniae感染に対する炎症応答の高低を高感度CRPで評価し、遺伝子多型とのassociationを検討する。 放射線影響研究所が1958年から臨床追跡調査している成人健康調査コホートの中から、1999年より2000年に高感度CRP検査を受けた約1700名の対象者の中から、膠原病、橋本病、慢性肝炎、糖尿病、癌の現症ないし既往を有さない対象者で、CRP高値トップ151名、CRP低値ボトム150名を選んだ。常在感染症の一つであるClamidia pneumoniae感染をIgG抗体価およびIgA抗体価で評価した。全対象者より、3省ガイドラインに基づき、書面のインフォームドコンセントを取得した。 変異解析用ハイブリ蛍光ラベルプローブとライトサイクラーをもちいたリアルタイムPCR法でSNPsを評価した。21名のパイロット実験で、シークエンシング法によりRP-PCR法の判定を確認した。これまでに測定したSNPsの遺伝子および301名の遺伝子型頻度は、以下の通りである。IL-10(A-1082G):A/A 92.0%,G/A 7.3%,G/G 0.7%;IL1B(TATA box SNP C-31T):C/C 17.6%,T/C 53.2%,T/T 29.2%;TLA(1^<st> intron NcoI site SNP):C/C 13.6%,T/C 44.5%,T/T 41.9%;MnSOD(Ala8Val) T/T 80.7%,T/C 18.6%,C/C 0.7%,TGFB1(Leu10Pro or T869C):C/C 29.6%,C/T 53.2%,T/T 17.3%.今後、遺伝子型とCRPよび、Clamidia pneumoniae IgG抗体価およびIgA抗体価のassociationを統計的に解析する。
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