研究概要 |
結核に感染した個体からの結核菌の試験管内増殖が低い例があることをまず報告している。またHIVに感染した個体において、HAART治療をした際には、CD45RAの回復がまず生じ続いてCCR7陽性のCD45RO細胞の回復が生じCCR7陰性のCD45RO細胞即ち、Effector memory細胞の回復が遅れることを報告した。またこのEffector Memory細胞の出現時期に免疫再構築症候群と思われる帯状庖疹が生じた。これらのことよりHIVの治療にとって現在問題になっている免疫再構築症候群の治療に際してCD4+,CD45RO+,CCR7-細胞の動態が大事であることを明らかにできた。 またHIVの感染機構の解析のために、BH-10株のgp120のV3領域の細胞膜結合部位をN端と決定した。またpost-fusogenic gp41を認識するモノクロナル抗体(50.69)陽性gp41が細胞膜上でraftと挙動をともにすることを明らかにした。 さらにワクチンの開発を可能にするために、CpG oligodeoxynucleotidesをアジュバントとして、使用した。すると抗原をこれらのアジュバントと結合させて時のみに、強い効果を見出し、CpGがアジュバント効果を有することを明らかにした。さらにCpGを用いることにより抗原提示細胞を活性化し、Th2細胞をTh1細胞に変換させることができる可能性を示した。Th2細胞はIL-10を介してAnergyを導く事が知られているのでこれらの刺激によりAnergyを回復できるか否かも研究する必要がある。
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