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2003 年度 実績報告書

胃・壁細胞の鉄蓄積と胃虚血による粘膜傷害との関連

研究課題

研究課題/領域番号 14657123
研究機関弘前大学

研究代表者

正村 和彦  弘前大学, 医学部, 教授 (10021411)

研究分担者 目黒 玲子  弘前大学, 医学部, 助手 (40333736)
キーワード胃 / 水浸ストレス / 胃粘膜傷害 / 非ヘム鉄 / 組織化学
研究概要

ウイスターラットに拘束水浸(23℃)ストレスを2.5時間与えた後、われわれが開発した三価の非ヘム鉄および二価の非ヘム鉄を組織化学的に証明する高感度灌流パールス法と灌流タンブル法(Meguro et al.,2003)で可視化し、胃粘膜の非ヘム鉄の動態と胃粘膜傷害との関連を光学および電子顕微鏡で調べた。水浸ストレスによって胃の小弯側に生じた粘膜褶曲の凸部に胃粘膜傷害が生じた。胃粘膜傷害では胃の壁細胞が他の粘膜細胞よりも早期に傷害されることが観察された。壁細胞は細胞および核の膨化と核クロマチンの凝集による核質の淡明化を示した。正常の壁細胞はおもにミトコンドリアに非ヘム鉄を蓄積しているが、胃粘膜傷害部位では、壁細胞における非ヘム2価および3価鉄の増加が見られた。これに関連して、傷害された壁細胞にヘムオキシゲナーゼ 1およびフェリチンの発現が増加した。これらの所見から、ストレスによる胃粘膜の局所的虚血によりミトコンドリアの膜傷害、ミトコンドリアの非ヘム鉄およびヘム鉄の細胞質への遊離、ヘムはヘムオキシゲナーゼ 1によって酸化/分解されて非ヘム鉄が遊離、これに対応して非ヘム鉄を隔離するためにフェリチンの発現が起きたと考えられた。また、再灌流によって生じたスーパーオキサイドと遊離の鉄イオンが反応してヒドロキシラジカルを生成し、これが壁細胞および周囲の他の細胞の膜脂質、蛋白質、DNAなどを酸化して傷害を起こし、広範な胃粘膜傷害を結果すると考えられた。水浸ストレスによる胃粘膜傷害は胃粘膜の褶曲部に生じることから、胃の筋層の局所的収縮が粘膜血管を圧迫して虚血を生じることが考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Reiko Meguro, Yoshiya Asano, Hiroyasu lwatsuki, Kazuhiko Shoumura: "Perfusion-Perls and -Turnbull methods supplemented by DAB intensification for nonheme iron histochemistry : demonstration of the superior sensitivity of of the method in the liver, spleen, and stomach of the rat"Histochemistry and Cell Biology. 120. 73-82 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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