【平成14年度の研究状況】 1.オリゴデオキシヌクレオチドの作成 まず、NF-κB結合コンセンサス配列をもったデコイ型二重鎖オリゴデオキシヌクレオチドを作成した。16merから30merまで、各鎖長にそれぞれ3種類づつのオリゴデオキシヌクレオチドを用意したため、作成したオリゴデオキシヌクレオチドは、合計45種となった。 2.デコイ型核酸医薬の調整 Hemagglutinating virus of Japan(センダイウイルス)は、10日目の孵化鶏卵より遠心法にて回収し、hemagglutinating activityを測定後、4℃にて保存した。また、ウイルスの不活性化は紫外線照射により行なった。リピッドは、フォスファチジルコリンとフォスファチジルセリン、コレステロールを各々クロロフォルムに溶解し、重量比4.8:1:2で混合後、濃縮させ-20℃で保存した。次に、ガンダリオシドをクロロホルムで溶解し、前期リピッドと混合後、DNA溶液を加え、vortexとsonicationを施行した。最後にrotary evaporatorで濃縮し、塩溶液に溶解、リポソームサスペンジョンを作成した。 3.トランスフェクション効率の検討 リポフェクション法による導入効率を検討するため、フルオレセイン・イソチオシアネートで標識した6種のオリゴデオキシヌクレオチドを各々上記のリポソームサスペンジョンと混合し、セミコンフルエント状態のHeLa細胞にトランスフェクションした。その結果蛍光顕微鏡下観察では、明らかなトランスフェクタントを得ることができなかった。ウイルスの力価やオリゴデオキシヌクレオチドの最終濃度に問題があると思われ、現在この条件を検討中である。
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