研究概要 |
【平成15年度の研究状況】 1.新規オリゴデオキシヌクレオチドの作成 平成14年度に作成したもの以外に、NF-κB結合コンセンサス配列GGGATTTCCCを、順方向あるいは逆方向に二ヶ所持つ新規のオリゴデオキシヌクレオチドを作成した。介在配列と末端配列の塩基長と塩基配列を変化させたために、作成したオリゴデオキシヌクレオチドは、合計12種となった。 2.デコイ型核酸医薬の再調整とトランスフェクション効率の検討 Hemagglutinating virus of Japan(HVJ)のhemagglutinating activityを再度測定し、リポソームサスペンジョンと混合する力価を、5,000、10,000、20,000 hemagglitinating unitsの三種類に振り分け塩溶液に溶解した。リポソームサスペンジョンの総量は、1〜1.5mlの範囲とした。フリーのHVJは、密度勾配遠心法により取り除いた。フルオレセイン・イソチオシアネートで標識した8種のオリゴデオキシヌクレオチドをリポソームサスペンジョンと混合し、各々HeLa細胞、CHO細胞、LoVo細胞にトランスフェクションし、導入効率を検討した。その結果、塩基長20mer前後のオリゴデオキシヌクレオチドで、20,000 hemagglitinating unitsのものの導入効率が良く、その後の検討に耐えうると判断した。そこで、CHO細胞にNF-κBデコイと対照オリゴデオキシヌクレオチドをリポソームサスペンジョンと混合し、トランスフェクション後にLPS刺激を加え、上清中のTNF-αをELISA法にて測定したところ、有意な低下が確認された。
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