• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

超微小ビーズ担体を用いた食物抗原・ペプチドに対する生体側受容体の単離

研究課題

研究課題/領域番号 14657128
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

渡辺 守  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)

研究分担者 半田 宏  東京工業大学, 大学院・生命理工学・フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80107432)
キーワードアレルギー / 食物アレルギー / アフィニティクロマトグラフィー / ナノテクノロジー / 粘膜免疫 / 腸管上皮細胞 / 腸内細菌 / 創薬
研究概要

本研究では腸管粘膜免疫組織において渡辺らの研究組織が独自に見いだした調節機構の考え方を導入するとともに、半田らが開発したナノテクノロジー「超微小ビーズ担体(ミラクルビーズ)」を応用して、食物アレルギー発症機構、食物抗原・腸内細菌抗原/ペプチドに対応する受容体、免疫統御の分子機構などを明らかとし、その特殊性を利用した新しいアレルギーに対する抑制戦略を実用化しようとする萌芽的研究を行った。本年度の研究では、食物抗原・腸内細菌抗原/ペプチドの「ミラクルビーズ」への固定化、およびそれを用いた生体受容体精製の条件設定のためのモデル実験系として、スチレンを芯に持ち、表面をグリシジルメタクリレートで覆われたSGビーズをアフィニティクロマトグラフィーの担体として構築した。SGビーズ表面に組換え大腸菌毒素をリンカーを介して固定化し、それを用いて、腸管上皮細胞粗抽出液からじかに毒素の標的となる生体分子をアフィニティ精製した。その結果、大腸菌毒素のアフィニティ精製画分に沢山の夾雑物が含まれ、毒素と選択的に結合する生体分子を検出することは難しいことがわかり、いくつかの改良を試みた。問題点となる毒素の固定化方法や固定化量を改善することで、毒素に結合するいくつかの蛋白が得られた。更に同様にして、腸管上皮細胞から腸管特異的低分子薬剤5ASAおよびそばアレルギーの原因ペプチドなどの生体内受容体の分離に成功し、いづれも現在、蛋白を解析中である。今回の研究により大腸菌毒素や食品中に含まれる物質に対する生体側の受け手である腸管上皮細胞上のレセプターを単離同定する技術が確立されたことは大きな進展であり、食物アレルギー疾患の発症機構を解明して、それらの治療に結びつく知見や情報が得られるものと期待される。本研究により将来的には難治性アレルギー疾患の治療に有効な創薬の開発が十分期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Totsuka T, Watanabe M, et al.: "Ameliorating effect of anti-inducible co-stimulator monoclonal antibody in a murine model of chronic colitis."Gastroenterology. 124. 410-421 (2003)

  • [文献書誌] Ezaki T, Watanabe M, et al.: "A specific genetic alteration on chromosome 6 in ulcerative colitis-associated colorectal cancers."Cancer Res. 63. 3747-3749 (2003)

  • [文献書誌] Uraushihara K, Watanabe M, et al.: "Regulation of murine inflammatory bowel disease by CD25+ and GD25-CD4+ glucocorticoid-induced TNF receptor family-related gene+ regulatory T cells."J Immunol. 171. 708-716 (2003)

  • [文献書誌] Yanazaki M, Watanabe M, et al.: "Mucosal T cells expressing high levels of IL-7 receptor are potential targets for treatment of chronic colitis."J Immunol. 171. 1556-1563 (2003)

  • [文献書誌] Kanai T, Watanabe M, et al.: "Blockade of B7-H1 suppresses the development of chronic intestinal inflammation."J Immunol. 171. 4156-4163 (2003)

  • [文献書誌] Okamoto R, Watanabe M.: "Prospects for regeneration of gastrointestinal epithelia using bone-marrow cells."Trends Mol Med. 9. 286-290 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi