研究課題/領域番号 |
14657134
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
菅野 健太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60179116)
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研究分担者 |
佐藤 貴一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50275707)
武藤 弘行 自治医科大学, 医学部, 講師 (50322392)
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キーワード | 腸上皮化生 / 転写因子 / CDX1 / CDX2 / トランスジェニックマウス / 文化型胃癌 / モデル動物 |
研究概要 |
腸上皮化生から分化型胃癌発生の分子機構を解明するため、CDX2を胃粘膜に発現させることによって腸上皮化生を発生するトランスジェニックマウス(CDX2発現腸上皮化生マウス)を作成し、長期間(約2年間)通常条件下(得に発癌剤投与なし)で飼育することにより、このモデルマウス腸上皮化生粘膜から隆起型の腫瘍発生がはば100%に認められた。発生した腫瘍は、隆起形態を示すが、粘膜筋板を越えて漿膜に浸潤性を示し病理的に癌と診断しうる病変と考えられた。発生した腫瘍では、ヒト分化型胃癌に多く認められる遺伝子異常であるp53の遺伝子変異を示すもの、APC 遺伝子の変異、欠失を伴うものとが見られた。 さらにCDX2発現腸上皮化生マウスをAPC遺伝子を欠くminマウスあるいはp53遺伝子欠損マウスと交配させることにより、それぞれの系統のマウスあるいはCDX2発現腸上皮化生マウスの系と比較し、極めて早期に胃腫痕の発生が見られた。このことから、腸上皮化生から胃癌が発生することが動物実験のレベルで確認できた。一方CDX2のホモローグであるCDX1を発現するマウスでもCDX2発現腸上皮化生モデルとは、組織形態の異なる腸上皮化生が発生した(CDX1発現腸上皮化生マウス)が、長期維持しているにもかかわらず現在のところ腫瘍発生は認められていない。
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