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2002 年度 実績報告書

レトロウイルス発現法を用いたアレルギー性気道炎症の抗原特異的制御

研究課題

研究課題/領域番号 14657145
研究機関千葉大学

研究代表者

中川 典明  千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50302542)

研究分担者 中島 裕史  千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (00322024)
岩本 逸夫  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10111436)
キーワードII型IL-4レセプター / 気管支喘息 / アレルギー性炎症 / IL-13E13K / レトロウイルス発現法 / 気道好酸球浸潤 / 抗原特異的T細胞
研究概要

気管支喘息は気道を場とした慢性アレルギー性炎症であり、その病態形成にはTh2細胞の産生するIL-4とIL-13が重要な役割を果たしている。IL-4とIL-13は、Th2細胞の分化やIgE産生を誘導するのみでなく、IL-4Rα鎖とIL-13Rα1鎖からなるII型IL-4レセプターを介して血管内皮細胞上のVCAM-1の発現増強や杯細胞の分化を誘導していることが明らかとなった。すなわちIL-4/IL-13シグナルは、既に感作の成立しているアレルギー疾患患者の治療ターゲットとしても重要と考えられている。一方近年、IL-13Rα1鎖に結合し、II型IL-4レセプターからのIL-4/IL-13シグナルを抑制するIL-13の変異体(IL-13E13K)が作製され、II型IL-4レセプターからのシグナルを特異的に抑制することが可能となった。加えて、近年の遺伝子工学及びウイルス学の進歩により高力価レトロウイルス発現系が開発され、T細胞に対し特定の分子を高効率で産生させることが可能となった。そこで本研究では、レトロウイルスを用いて抗原特異的T細胞にIL-13E13K発現ウイルスを感染させ、この感染T細胞がアレルギー性炎症の局所でIL-13E13Kを産生することにより抗原特異的にアレルギー性炎症を制御することが可能か否かを検証した。IL-13E13K発現レトロウイルスを感染させたT細胞を経静脈的に移入し、その後抗原を吸入投与したところ、IL-13E13Kの産生を気道で検出することができた。しかし、残念ながら現時点でIL-13E13Kの産生によりアレルギー性炎症を制御するまでには至っていない。現在、レトロウイルス感染T細胞の増殖方法の改良に取り組み、より多くの抗原特異的T細胞を気道局所に浸潤させることで、この問題を克服しようと研究を継続している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Seto Y, Nakajima H, Suto A, Saito Y, Nakayama KI, Iwamoto I.: "Enhanced Th2 cell-mediated allergic inflammation in Tyk2-deficient mice"J. Immunol.. 170. 1077-1083 (2003)

  • [文献書誌] Nakajima H, Suzuki K, Kagami S-i, Suto A, Saito Y, Akira S, Iwamoto I.: "Proteolytic processing of Stat6 signaling in mast cells as a negative-regulatory mechanism"J. Exp. Med.. 196. 27-38 (2002)

  • [文献書誌] Suto A, Nakajima H, Nakayama T, Taniguchi M, Saito Y, Iwamoto I.: "CD4+CD25+T cell development is regulated by at least two distinct mechanisms"Blood. 99. 555-560 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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