研究課題/領域番号 |
14657155
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30281223)
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キーワード | HAM / HTLV-1 / 宿主因子 / Shh / Gli2 / RT-PCR / フローサイトメーター / 発症規定因子 |
研究概要 |
近年の分子免疫機構研究の進歩から、炎症局所での浸潤細胞の種類・役割、好炎症性のサイトカインの分泌動態が明らかになっているが、大半のでは炎症が引き起こされる際に如何なる機構が働いているのかは未だ解明されていない。臓器親和性または特異的進入性の高い免疫担当細胞が炎症の引き金となっている可能性は示唆されている。ヒトリンパ球好性ウイルスI型(HTLV-I)は生体内では主としてCD4陽性T細胞に感染し、HTLV-I関連脊髄症(HAM)、成人T細胞性白血病(ATL)を引き起こすことが知られている。HAMは痙性対麻痺、膀胱直腸障害を起こす慢性進行性神経疾患であるが、神経症状以外に関節症状、呼吸器症状、口腔・眼の乾燥症状などの随伴症状を伴っている。現在までの検討では、HAMの脊髄病変は脊髄では血流の遅い部位に集中しており、HTLV-Iウイルスそのものは脊髄組織に感染しておらず、HTLV-I感染CD4陽性T細胞が細胞接着因子を始めとする細胞移動の機構を通じ脊髄内に移行、異常免疫現象を引き起こし病変形成しているものと考えている。HTLV-I感染細胞がほぼ同様の機構を使用し、臓器組織に侵入炎症を引き起こしているのであれば、血流の遅い臓器局所に等しく障害を起こすはずであるが、病変は上記臓器特に脊髄および膝関節に強調されてみられることが多い。この事実からいくつかの臓器に対してのみ特異的進入能力を持つ細胞集団がHTLV-Iにより誘導されのか、いくつかの臓器に共通する細胞外基質がありHTLV-I感染細胞が進入し易い条件を持っているかの何れかと推測された。HAM患者、無症候性キャリアー、正常コントロール末梢血中のCD44v6の発現をRT-PCRとフローサイトメーターにより定量し、各種免疫学的パラメーター、臨床症状と比較した。CD44v6は全ての群で同様に発現していた。脊髄組織ではCD44v6v10 variantがHAM特異的であることを以前報告しているが、CD44v6v10 variantの発現はHTLV-I感染細胞株(MT2)にのみ見られ、T細胞株(Jurkat)には見られなかった。今後はCD44v6のみでなくCD44v6v10 variantの発現をHAM患者、無症候性キャリアー、正常コントロール末梢血中で検討することが必要と判明した。
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