研究課題/領域番号 |
14657174
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金出 英夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80038851)
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研究分担者 |
平野 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80291516)
西村 淳二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90237727)
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キーワード | 血管リモデリング / 血管モデル / 血管平滑筋細胞 / Rho-kinase / Protein kinase A / 血管拘縮 |
研究概要 |
血管形成術後の血管には、再狭窄に伴って、拘縮(リモデリング)や収縮性の亢進・攣縮を認めることがある。拘縮現象と収縮性亢進との間に因果関係があると一般に考えられているが、その証拠は無い。本年度は、コラーゲンゲル血管モデル(中膜平滑筋層モデル)を作製し、その拘縮性と収縮性の異同について研究した。すなわち、ブタ冠動脈より酵素法を用いて培養平滑筋細胞を調製し、アスコルビン酸50μg/ml存在下で培養、収縮性を有する培養血管平滑筋細胞を得た。次に細胞をコラーゲンゲルと混和し、血管中膜モデルを作製した。この血管モデルの拘縮性と収縮性にたいするRho-kinase阻害薬(10^<-5>M Y27632)、PKA阻害薬(10^<-5>M H89)、PDE阻害薬(10^<-4>M IBMX)、PKA活性薬(10^<-5>M folskolin)の効果を検討した。拘縮性の程度の評価は、「平滑筋細胞と1型コラーゲン」を混ぜ合わせて円盤を作製し、無血清培養中の円盤サイズ変化の測定によって行った。収縮性の程度の評価は、「平滑筋細胞と1型コラーゲン」を混ぜ合わせてリングを作製し、その等長性張力を測定によって行った。培養3日目、コントロール円盤は初期面積の26%に縮小する。しかしながら、Y27632、H89、IBMX、folskolin存在下では、それぞれ74%、91%、70%、35%である。一方、等長性張力測定では、10^<-8>M endothelin収縮をY27632とfolskolinは完全に阻害したが、H89は全く阻害しなかった。したがって、ゲルの径で測定した拘縮性変化と等長性張力発生で観察した収縮性変化とは相関しないこと、また、ゲル拘縮性の阻害にはPKA阻害が最も有効であることが明らかとなった。
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