研究課題/領域番号 |
14657178
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
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研究分担者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
赤阪 隆史 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70322584)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
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キーワード | 虚血性心疾患患者 / 冠危険因子 / 一酸化窒素 / 動脈硬化 / 血管内皮障害 / 冠血管予備能の低下 / NO合成阻害因子 |
研究概要 |
虚血性心疾患患者におけるNO・superoxide及びNO合成阻害因子の定量評価 虚血性心疾患患者は、冠危険因子(高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙)の長期暴露によって、酸化ストレスおよびsuperoxideの増加に伴う一酸化窒素(NO)の低下およびNO合成阻害因子の増加を認め、血管内皮障害を惹起し、最終的に動脈硬化へ進展することが考えられている。今回、NO合成阻害因子と虚血性心疾患患者との関連を明かにするため、平均59歳の虚血性心疾患患者およびage matchした正常者における静脈内NO・およびNO合成阻害因子を高速液体クロマトグラフィーとELISAを用いて比較評価した。その結果、正常者に比べ、虚血性心疾患患者において、ほとんどの症例で冠危険因子(高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙)の存在を認め、末梢血中の中性脂肪の増加、HDLコレステロールの低下、NOの低下、NO合成阻害物質asymmetric dimethylarginine, ADMAの増加や酸化ストレスの指標となる酸化LDLの増加、NO合成酵素補酵素tetrahydrobiopterin, BH4の低下を認めた。以上の結果より、統合的に評価すると、虚血性心疾患患者は、ATP静注による冠血管予備能の低下を認めたが、冠危険因子の存在に伴う酸化ストレスおよびsuperoxideの増加がNOの産生低下およびNO合成阻害因子を増強し、血管内皮障害を引き起こし、冠血管予備能低下の原因となることが窺われた。
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