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2003 年度 実績報告書

心臓冠状動脈の発生における基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657190
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

中澤 誠  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)

研究分担者 杉村 洋子  東京大学, 医学部, 助手 (70291698)
吉田 恭子(今中 恭子)  三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
富田 幸子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
キーワード冠動脈 / 心臓 / 発生 / マウス胎仔 / ニワトリ胚 / ウズラ胚
研究概要

標識したウズラPEOを鶏胚の心嚢腔内に移植して追跡すると、PEOの細胞は、心嚢表面には接着せず、心筋表面のみに接着して遊走していくことが明らかになった。この時期のマウス胎仔では、心筋層でのテネイシンCの発現は消失するが、心嚢ではテネイシンCの発現が持続しているため、テネイシンCがPEO細胞の接着遊走を阻害していると予想した。しかしながら、この時期の鶏胚では、心筋、心嚢いずれにもテネイシンCの発現がみられず、発現様式がマウスとは異なることが免疫組織学的に明らかになった。さらに、後期胚の解析により、マウスでは明らかでなかった、心外膜下層でのPEO細胞の上皮間葉転換を起こす際にともなうテネイシンCの発現が認められた。
従って、心嚢、心外膜、冠血管の発生機構は、動物種によって、異なる可能性があり、より詳細で丁寧な比較検討が必要であるが、テネイシンCの関与は明らかであることが認められた。
一方、PEO細胞のゲル上explant培養によるin vitro血管新生解析システムで、血管細胞分化の指標となる遺伝子の発現をRT-PCRで解析すると管腔構造の発達に伴い、PECAMの発現が増加し、Flt,Flkの発現は減少するという、生体内での血管新生に伴ってみられるのと同様の遺伝子発現の変化を認めた。しかしながら、生体では減少すると考えられる、angiopoietin1やテネイシンCの発現は培養系では持続しており、in vitroでの血管細胞の分化には限界があると思われた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sugimura H, Miyagawa-Tomita S, Nakazawa M: "Effect of the cardiac neural crest for the coronary angiogenesis and/or vasculogenesis"Weinstein Cardiovascular Development Conference. 60 (2003)

  • [文献書誌] Hanat T, Watanabe N, Nakazawa M, et al.: "Tenascin-C may be involved in the development of the coronary artery"Mol Biol Cell. 14(Supple). 210a (2003)

  • [文献書誌] Imanaka-Yoshida K, Matsumoto K, Hara M, Sakakura T, Yoshida T: "The dynamic expression of tenascin-C and tenascin-X during early heart development."Differentiation. 71. 291-298 (2003)

  • [文献書誌] Imanaka-Yoshida K, Hiroe M, Yoshida T.: "Multiple roles of tenascin-C in tissue remodeling."Hitol Histopathol. (in press). (2004)

  • [文献書誌] 宮川-富田幸子, 吉田-今中恭子, 杉村洋子, 冨澤康子, 中澤 誠: "冠動脈の発生と発達に関する最近の知見"冠疾患学会雑誌. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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