研究課題/領域番号 |
14657207
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
|
研究分担者 |
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
小華和 柾志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90234806)
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70321958)
|
キーワード | emission tomography / deoxyglucose / tumor / glucose metabolism |
研究概要 |
1)悪性腫瘍の診断、評価に広く利用されているFDGは炎症にも集積するため、鑑別上の問題点が指摘されている。本研究ではPET検査におけるFDGの腫瘍や炎症への集積機序をブドウ糖代謝および膜輸送遺伝子の発現などの観点から明らかにすると共に、種々の薬剤負荷を加えることで病変の鑑別診断に役立てることができるか否かを検討することを目指した。 2)ラットにKDH-8肝癌細胞を植え込んだ腫瘍モデルと、ブドウ球菌移植の感染およびテレビン油塗布の感染・炎症モデルを作成することがででた。各々の病変にFDGを投与して集積性を見たところ、腫瘍モデルの方が感染・炎症モデルよりも高いFDG集積があり、かつこの集積は病変の免疫組織学的検討よりGlucose transporter 1(GLUT 1)とGLUT-3の上昇と関連深いことが示された。 3)インスリン負荷では腫瘍と感染・炎症モデルの双方にGLUTの変化は見られなかったが、FDGの集積は低下した。これはインスリン負荷による骨格筋などへのFDGの集積の移行が原因と考えられた。 4)他方軽度のブドウ糖負荷した際には、感染・炎症モデルではGLUT 1の低下と共にFDGの集積の低下が見られたが、悪性腫瘍では有意な変化が見られなかった。これはFDGの腫瘍への集積性が働いため、軽度の血糖の上昇ではFDGの集積に変化を示さないものと考えられ、この負荷法がFDG-PET検査における病変の良悪の鑑別に役立つことが示唆された。
|