研究課題/領域番号 |
14657208
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高井 良尋 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (50107653)
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研究分担者 |
根本 建二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10208291)
山田 章吾 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158194)
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キーワード | 肺癌定位照射 / 能動的呼吸制御法 / アモルファスシリコンX線センサー / 同期放射線照射 / ガントリー搭載X線透視装置 |
研究概要 |
東北大学放射治療科では、本年バリアン社製直線加速器ClinacEX23のガントリーに2台のX線透視装置とアモルファスシリコン平板検出器を搭載することに成功した。この装置は照射中にリアルタイムで腫瘍ないし、腫瘍内に刺入した金マーカーの位置を確認することができる装置である。この装置に当科において、開発しつつある能動的呼吸停止装置(Active Breathing Control : ABC)を連動させることにより、任意の呼吸位相で呼吸をとめ(停止位置の誤差は±1.5mm程度である)、止まると同時に自動的にビームオンとなり、なおかつ、腫瘍内金マーカー位置が許容誤差範囲にあることを確認しながら照射できる新治療システムが構築するために、今年度は、ガントリー搭載の金マーカー追跡装置の精度測定と、ソフトウエアによる補正システムの開発、およびABC装置の無線化を行った。この装置は2台のX線管(RADII simulator : Haynes Radiation Ltd.)をライナックのビーム軸よりそれぞれ45°の角度で取り付け、その対側にアモルファスシリコン平板のX線センサーを取り付けたものである。ガントリーを回転させたときのフラットパネルの動き(回転中心からのずれ)を、アイソセンターにおいた直径2mmの鉛球の座標を測ることにより求め、そのずれを補正するソフトを作成した。金マーカーの画像は15〜30フレーム/秒で取り込まれビデオ信号としてPCに送られ、金マーカーが認識されるピクセル位置より位置座標が計算される。ガントリーを一回転させたときの鉛球中心座標のずれは、フラットパネル面のX方向で最大3mmであった。ずれの大きさはサインカーブ様の変化を示し、左右のパネルは90°の位相のずれで逆方向に移動することが判った。頭尾方向(Y)にはほとんど動きを認めなかった。ソフトウエア補正後のアイソセンターの座標表示誤差は±0.25mmとなり、実用上十分な精度である。ABC装置を無線化することによる、有意なモニター上の呼吸位相描出時間の有意な遅延を認めず、実用化に関して問題はないと判明したと思われる。
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