研究概要 |
脳の代表的代謝基質であるN-acetylasparatate(NAA)、creatine(Cr)、choline(Cho)、myoinositol(mI)、lactate(Lac)、glutamine(Glx)、glutamate(Glu)が10〜50mM濃度で、KH2PO4(10〜50mM濃度)に溶解させて、PHを7.0〜7.1に調整した定量的^1H-MRS用の基準ファントム1を作製し、新規に開発した定量的^1H-MRS解析プログラムの精度評価と再現性評価を検討した。定量化については7~12%の誤差範囲の精度が達成でき,2日間(5回測定/日)での再現性も±8%の範囲であった。また種々のT1、T2値の成分および脳内の代謝基質成分の既知量(T1、T2値は常磁性金属イオンを用いて調整し、代謝基質の濃度は10〜50mMとし、PHを7.0〜7.1に調整)がランダムに配置されている基準ファントム2を作製し、新規に開発した3次元組織分画解析用プログラムの精度評価と再現性評価を検討した。精度ならびに再現性はスライス厚に強く依存し,1〜2mmの薄いスライス厚ではそれぞれ5%以内、±3%の範囲であったが、通常臨床で用いられている5-7mmのスライス厚では10%以上、±11%の範囲であった。これらの結果から来年度の正常者ならびに症例における研究では1〜2mmの薄いスライス厚での高速映像法を用いるよていである。使用装置は東京大学医科学研究所附属病院放射線科が現有する静磁場強度1.5テスラのGE社製超伝導MR装置(Signa Horizon Lx,8.25v)と臨床用頭部用バードケージ型コイルで、データ解析はSun Spark Station 20及びSilicon Graphics O_2を使用して行った。
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