【平成14年度実績】 中枢ヒスタミン神経系の動態を明らかにするため、[11C]ドキセピンをリガンドとしたPET検査を行った。対象は、健常者女性5人(20-25歳、BMI=19.5-21.8)、神経性食思不振症患者3人(22-28歳、BMI=11.7-13.2)である。被検者には全例インフォームドコンセントを事前に得、さらにドキセピン投与量は約2.8-3.5mCiと当初の予定投与量より少ない量で行い被検者への影響を最小限にして実施。全例安全に問題なく検査を終えている。男性例は先行研究の正常群を用いることとし、さらに健常女性、患者群の症例数を増やし、精度を高めていく予定である。また被検者には心理テスト(性格傾向、抑うつ、不安、検査時の気分、自己効力感などを評価する自己記入式質問紙を用いる)と採血(レプチン、コルチゾール等の測定)、Brain MRIを合わせて行っている。 現在得られたPETデータをMRI画像とあわせ、コンピューター解析中である。検討項目としては、先行研究である健常およびうつ病の男性例を対象とした研究との比較にて、中枢ヒスタミン神経系の性差、疾患における動態を明らかにしていくこと。また心理テストにより評価した心理傾向と中枢ヒスタミン神経系の関連や、レプチン等の摂食調整因子との関連を明らかにしていくことである。
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