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2003 年度 実績報告書

ミッドカイン欠損による海馬発達障害と精神分裂病の生物学的脆弱性との関連

研究課題

研究課題/領域番号 14657227
研究機関千葉大学

研究代表者

清水 栄司  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00292699)

研究分担者 村松 喬  名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00030891)
伊豫 雅臣  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50191903)
橋本 謙二  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10189483)
キーワードミッドカイン / 統合失調症 / 海馬
研究概要

昨年、統合失調症(精神分裂病)の患者血清におけるミッドカイン濃度と精神症状との関連性を調べたところ、過去に行われた多数の健康対照群では全くみられないような0.8ng/mLを超える異常高値を示したケースが、15例の未治療の患者中の4例(26.7%)に見られたが、このような異常高値を示さない未治療患者群の平均ミッドカイン・レベルは、健康対照群のそれより有意に低下していたことを報告した(Shimizu et al.2003)。また、ミッドカイン・ノックアウトマウスを用いた実験では以下のような結果を得ている。(1)刺激なしでの自発運動量に関しては、ノックアウトと野生型で差はないものの、メタアンフェタミン投与によって惹起される異常行動に関しては、ミッドカイン・ノックアウトマウスで、野生型に比べ、有意な減少を示した。(2)線条体のドーパミン、DOPAC、HVAの含量をHPLC装置にて測定したところ、ミッドカイン・ノックアウトマウスでは野生型に比べ有意に減少していた。(3)線条体のドーパミンD1およびD2受容体結合能を測定したところ、ミッドカイン・ノックアウトマウスでは野生型に比べ有意に減少していた。(上記の(1)(2)(3)の結果は2003年北米神経学会にて報告した)。以上の結果から、ミッドカインが成体での海馬および黒質線条体の神経発生に必要であり、動物モデルでのメタアンフェタミンの異常行動発現および統合失調症患者の症状発現にも一定の役割を果たしている可能性が強く示唆され、今後、ミッドカインが高次精神機能に果たす役割をさらに続けて検討していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shimizu E.et al.: "Two clusters of serum midkine levels in drug-naive patients with schizophrenia."Neurosci.Lett.. 344. 95-98 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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