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2003 年度 実績報告書

冠動脈および大動脈の血管内皮に発現する新規接着分子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14657240
研究機関東京大学

研究代表者

北村 俊雄  東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)

キーワードシグナルシークエンストラップ / 膜蛋白質 / 血管平滑筋 / TGF-β / シグナル伝達
研究概要

我々のグループが開発したレトロウイルスベクターを利用したシグナルシークエンストラップ法SST-REXによりヒト心臓に発現している膜蛋白質および分泌蛋白質をスクリーニングした。
スクリーニングの結果いくつかの新規分子が得られ、そのうち特徴的なロイシンリッチリピートを有して分子に着目し遺伝子全長を単離後、機能解析を行った。バゾリンと名付けたこの分子はロイシンリッチリピートドメインを細胞外に有する典型的な1型膜タンパク質で、in situ hybridization analysisによりその発現は血管平滑筋細胞特異的であることが判明した。またバゾリンの発現は血管平滑筋細胞の分化とともに増加し、脱分化とともに減少した。細胞外ドメインに存在するロイシンリッチリピートドメインは蛋白質相互作用に関与することがよく知られており当初バゾリンが接着分子としてインテグリンなど接着分子に結合する可能性を調べたが、特異的な結合は検出されなかった。その後、バゾリンとTGF-βの相互作用を調べ、両者が直接結合することを見いだした。また下流のシグナル伝達系を調べたところ、TGF-βシグナルはバゾリンにより負に制御されることが示された。また逆にTGF-β刺激によりバゾリンの発現がラット培養血管平滑筋細胞において有意に増強されることも判明した。以上より、バゾリンは血管平滑筋細胞特異的なTGF-βシグナルの負のフィードバック調節因子であることがわかった。
現在、以下の論文を投稿中
・論文標題:Vasorin, a novel TGF- -binding protein expressed in vascular smooth muscle cells, modulates the arterial response to injury in vivo
・著者名:Y.Ikeda, Y.Imai, H.Kumagai, T.Nosaka, Y.Morikawa, T.Hisaoka, I.Manabe, K.Maemura, T.Nakaoka, T.Imamura, K.Miyazono, I.Komuro, R.Nagai, and T.Kitamura

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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