研究概要 |
マウスEmbryonic stem細胞(Wild-ES細胞)から、Embryoid body(EB body)を作成し、腎構成細胞(足突起細胞、尿細管細胞)への分化誘導を試みた。さらにWnt4とLacZ cDNAを導入したWnt4-ES細胞を使用して、尿細管細胞への分化誘導を試みた。RT-PCRによりPax2,WT1はEB細胞初期より発現が認められ、nephrin, podocinはEB細胞のday5〜7において、podocalyxin, podoplaninはday26に至るまで発現が認められた。蛍光免疫染色では、EB細胞の一部がnephrin, podocin染色陽性であったWestern blotにてEB細胞でpodocinの蛋白発現を確認した。Wnt4-EB細胞の二次元培養での蛍光免疫染色では、HGFとactivinの存在下にてAQP(aquaporin)2染色腸性が認められた。Western blotにてWnt4-EB細胞でAQP2の蛋白発現を確認した。三次元培養でHGFとactivinの存在下にてWnt4-EB細胞は、尿細管様構造を呈しRT-PCRによりAQP2陽性であった。In vivoでは、Wnt4-EB細胞を腎皮質に注入すると、4週間後に腎にteratomaの形成とAQP2陽性の管腔構造が認められた。以上よりES細胞からの腎構成細胞への分化誘導の可能性が示唆され、今後分化誘導因子をさらに検討してゆく。
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