研究概要 |
Kruppel-like factor(以下KLF)の腎臓での役割を探るため、1)今現在16単離されているKLFのうち、腎臓で発現しているものをノーザン解析で検討した。このためには、RT-PCRにて各KLFのcDNAの一部分をまずクローニングした。これを用いて、プローブとし、マウス腎臓からRNAを抽出し、ノーザン解析を行った。これにより7,8,12,15が腎臓に比較的多く発現していることを明らかにした。ひきつづき、本来我々がKLF15を単離したきっかけである腎臓特異的なCLC-K1クロライドチャネルの発現が出生前後で劇的に変わることから、出生前後でこれらの発現が変化するかを、出生前後でマウスの腎臓のRNAを単離し、リアルタイムPCRにて検討した。これにより、KLF12が出生後発現の著しい増加があることが判明し、その腎臓内での発現部位をさぐるべく抗体を作成し検討中である。 また、KLF15については以前の我々の報告にある腎臓の繊維化にかかわる可能性を検証するため、ノックアウトマウスの作成に入った。KLF15マウス遺伝子断片を単離後、マッピングサブクローニングし、現在ターゲティングベクター作成を終了することができた。最近、KLF15が脂肪細胞での遺伝子発現制御、また繊維芽細胞から脂肪細胞への形質変換に重要との報告もあり、この分野では、共同研究を考えている。
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