研究課題/領域番号 |
14657253
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今井 圓裕 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00223305)
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研究分担者 |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学系研究科, 医員(臨床研究)
竹中 優 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20222101)
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キーワード | 遺伝子治療 / エレクトロポレーション / 肝細胞増殖因子 / ブタ / 腎移植 |
研究概要 |
1.ブタへのHGF遺伝子導入法の確立;ミニブタを、麻酔下で開腹後、腎を摘出し、生理的食塩水で腎臓を還流後、HGF遺伝子を組み込んだ発現ベクター(6mg)を腎静脈をクリップにて結紮し注入した。遺伝子を導入したブタ腎臓を生理的食塩水で満たしたバスタブ型電極に浸し、スクエアー型電圧(30V,100msec)を900msecの休止をおいて、6回行い、エレクトロポレーションにより遺伝子導入を行った。HGF遺伝子導入を行ったブタ腎臓を移植し、遺伝子導入7日後に腎臓を摘出し、腎皮質のHGF活性をELIZA法にて測定した。また、同時に腎組織を抗HGF抗体を用いて、染色した。正常ブタ腎臓では、腎皮質におけるHGFの活性を認めなかったが、遺伝子導入ブタ腎において皮質のHGF活性を認めた。また、腎糸球体での染色を認め、腎糸球体でのHGF遺伝子発現が確認された。 2.移植ブタ腎でのHGF遺伝子導入の効果と安全性の評価;HGF遺伝子導入を行ったブタ腎臓を移植した後、対側腎を摘出し、移植モデルブタを作製した。HGF遺伝子およびコントロール遺伝子を導入したブタを1、3、6ヶ月後に安楽死させ、検討した。HGF遺伝子は遺伝子導入を行った腎臓のみに検出され、しかも6ヶ月後まで腎臓に検出された。他の肝臓、肺、脾臓には導入遺伝子は検出されなかった。また、HGF遺伝子を導入した移植モデルブタでは間質線維化が抑制されていた。また、HGF遺伝子を導入した移植モデルブタでは、形質転換のマーカーであるα-smooth muscle actinの発現が抑制されていた。以上、HGF遺伝子によつ安全性及び移植腎保護作用が示唆された。
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