本年度は、ほぼ予定通り、トランスジーンの構築、受精卵へのマイクロインジェクションおよびトランスジェニックマウスの同定の3つの過程を完了した。 1.トランスジーンの構築 1-1.Nphs1-tTA Nphs1プロモーター5.4kb断片にtTAとpolyA付加シグナルを結合させた。さらに、tTAの発現をモニターするため、IRES(Internal Ribosome Entry Site)とEGFPレポーター遺伝子とを結合させた。 1-2.tet-op SV40T cytomegarovirusプロモーターとテトラサイクリン応答領域(TRE)を組み合わせたtet-opプロモーターにSV40T抗原遺伝子とSV40polyA付加シグナルを結合させた。またダブルトランスジェニックマウスにおいて、SV40Tの発現をモニターできるように、tet-opプロモーターとして、両方向性のを用い、SV40Tと同時に、lacZレポーター遺伝子が発現するように、構築を行った。 2.受精卵へのマイクロインジェクション DBA/2とC57BL/6の交雑系の受精卵の前核に、上記2種類のトランスジーンDNAをマイクロインジェクションした。 3.トランスジェニックマウスの同定 尾より抽出したDNAを用い、PCRにてトランスジーンを増幅して、トランスジェニックマウスを同定し、PCR陽性のマウスはさらにSouthern解析にて確認した。合計11匹のNphs1-tTAトランスジェニックマウスと、7匹のtet-op SV40Tマウスが得られた。
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