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2002 年度 実績報告書

子宮内胎児発育不全モデルラットを用いた中枢神経障害の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14657259
研究機関名古屋大学

研究代表者

早川 昌弘  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40343206)

研究分担者 奥村 彰久  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (60303624)
キーワード子宮内胎児発育不全 / 低酸素性虚血性ストレス / 中枢神経障害
研究概要

【研究の目的】今年度は。子宮内発育遅延の状態が低酸素性虚血性のストレスに対して脆弱であるか否かを確かめるために、子宮内発育遅延モデルラットを用いて、低酸素性虚血ストレスを負荷し、脳の梗塞面積について検討した。
【方法】
(1)子宮内発育遅延モデル(IUGR)動物の作成:SD系ラット母獣の腹腔内に、妊娠13日目に浸透圧ポンプを埋め込み合成トロンボキサンA2を20ng/hrで持続投与し、胎児に子宮内発育遅延を誘導した。自然分娩にて出生後、体重を測定し子宮内発育遅延動物であることを確認した。
(2)低酸素性虚血性ストレスの負荷:日令7の正常体重(コントロール)ラットとIUGRラット新生仔を、笑気+フローセン吸入麻酔下にて右総頸動脈を絹糸にて結紮した。3時間母獣に戻し回復させた後、8%酸素を2時間吸入させた。IUGRラットについては、結紮のみをおこなったもの、低酸素負荷のみをかけたものについても検討を行った。
(3)TTC染色:2の処置後、48時間でペントバルビタールで全身麻酔をかけた後、冷生食で環流し大脳を摘出した。2mm毎に脳のスライスを作成し、1%TTC液にて20分染色を行った。冷10%中性ホルマリン液にて固定保存した。
(4)結果の解析:TTC染色では正常の組織は赤色に染色され、梗塞域は白くなる。赤色、白色の部位をNIH imageソフトを用いて計測し、右大脳半球の面積・梗塞面積を測定し、その比率を計算した。
【結果】
(1)梗塞を起こした割合:コントロール群で5/50(50%)、IUGR(RCA結紮+低酸素)で5/16(31%)、IUGR(RCA結紮のみ)では0/4(0%)、IUGR(低酸素のみ)では0/4(0%)であった。
(2)コントロール群4匹および子宮内発育遅延群5匹に、生じた梗塞に関して比較検討した。コントロール群は26.22±14.28%、子宮内発育遅延群28.78±12.86%であった。2群間では統計学的に有意差を認めなかった。(p=0.7844)
【考察】今回の結果では、検討した動物の数が少なく、有意差を導き出すには不十分であった。動物の数を増やし、検討を加える必要があると考える。来年度は低酸素性虚血性のストレスに際して誘導されるサイトカインの検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hayakawa M, Okumura A, Hayakawa F, Kato Y, Ohshiro M, Tauchi N, Watanabe K.: "Nutritional State and Growth and Functional Maturation of the Brain in Extremely Low Birth Weight Infants"Pediatrics. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Hayakawa M, Kato Y, Takahashi R, Tauchi N.: "A Case of Citrullinemia Diagnosed by DNA Analysis: Included prenatal genetic diagnosis from amniocyte of next pregnancy"Pediatrics International. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Yasuda A, Kimura H, Hayakawa M, Ohshiro M, Kato Y, Matsuura O, Suzuki C, Morishima T.: "Evaluation of Cytomegalovirus Infections Transmitted via Breast Milk in Preterm Infants with a Real-Time Polymerase Chain Reaction Assay"Pediatrics. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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