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2003 年度 実績報告書

周生期脳障害の抑制効果を示す機能性糖質の同定と作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14657260
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

大平 敦彦  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)

キーワード脳損傷 / 虚血 / 低酸素 / 細胞内骨格タンパク / 神経前駆細胞 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / ホスファカン
研究概要

本研究の目的は、プロテオグリカン、特にそのコンドロイチン硫酸糖鎖を利用して、周生期脳障害の新たな早期治療法への道を拓くことである。この目的に向かって、本年度は、以下の成果をあげた。
1.神経前駆細胞に富む未成熟脳のプロテオグリカン/グリコサミノグリカンの同定
胎生14日ラット終脳から精製したコンドロイチン硫酸は、DEAEカラムクロマトグラフィーにより2つの画分に分かれた。高塩濃度で溶出される画分には、高硫酸化二糖単位であるE-単位の存在が確認できたが、D-単位は検出できなかった。また、神経前駆細胞が形成するニューロスフェアーと呼ばれる細胞塊は、ニューロカンとホスファカンを合成分泌していることも明らかにした。一方、コントロイチナーゼABC存在下で、ニューロスフェアー培養を行うと、神経前駆細胞の培養皿への接着性が増強されることから、神経前駆細胞の周囲に存在するコンドロイチン硫酸が、神経前駆細胞の行動を調節していることが示唆された。
2.周生期低酸素虚血モデルラットの脳損傷部の定量化と分子病態
モデルラット脳の損傷部は、低酸素負荷後48時間で、TTC法により定量化が可能であった。網膜神経節細胞の生存を維持する効果が報告されているニプラジロールを、あらかじめ脳室内に投与し、TTC法で脳の損傷域を定量したところ、損傷域が減少する傾向が認められた。一方、脳の損傷部では、低酸素負荷後、細胞内骨格タンパクの減少(分解)とともに、ホスファカン、特に受容体型分子の減少が起きることも明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kazunori Sango 他: "Phosphacan and neurocan are repulsive substrata for adhesion and neurite extension of adult rat dorsal root ganglion---"Experimental Neurology. 182(1). 1-11 (2003)

  • [文献書誌] Takahisa Koga 他: "Expression of glycosaminoglycans during development of the rat retina."Current Eye Research. 27(2). 75-83 (2003)

  • [文献書誌] Motoi Okamoto 他: "Kainic acid-induced convulsions cause prolonged changes in the chondroitin sulfate proteoglycans neurocan and---"Experimental Neurology. 184(1). 179-195 (2003)

  • [文献書誌] Keiko Nakanishi 他: "Altered synaptic activities in cultures of neocortical neurons from prenatally X-irradiated rats."Neuroscience Letters. 355(1-2). 61-64 (2004)

  • [文献書誌] Takuya Shuo 他: "Developmental changes in the biochemical and immunological characters of the carbohydrate moiety of neuroglycan C---"Glycoconjugate Journal. (in press). (2004)

  • [文献書誌] Seiji Miyata 他: "Activity-dependent downregulation of a chondroitin sulfate proteoglycan 6B4 phosphacan/RPTPβ in the hypothalamic---"Neuroscience. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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