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2002 年度 実績報告書

遺伝子治療による臓器移植免疫寛容導入:ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬の併用効果

研究課題

研究課題/領域番号 14657276
研究機関北海道大学

研究代表者

古川 博之  北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70292026)

研究分担者 陳 孟鳳  北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (40333603)
上出 利光  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
藤堂 省  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
キーワードCAR / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / アデノウイルスベクター / CTLA4Ig / CD40Ig / FK228
研究概要

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬であるFR901228(FK228)は、様々な細胞種でその細胞表面のCAR(Coxsackie and adenovial receptor)の発現を増強させることによりアデノウイルスの感染効率を上昇させる作用を持つことが知られ、遺伝子治療への応用が期待されている。遺伝子治療を臓器移植に応用する場合、免疫抑制物質(CTLA4Ig, CD40Ig)の遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターの投与により移植臓器への免疫寛容を誘導する方法が実験的に効果をあげているが、ベクター自体による副作用を軽減するためには、より少ない量のベクターを用い、十分な遺伝子導入効率を上げることが求められる。我々はFK228を臓器移植分野に応用すべく、以下について研究を行った。1.ラット肝分離細胞において、FK228がアデノウイルス(AdLacZ)の感染効率を向上させるか。2.ラット非移植モデルにおいて、FK228が導入遺伝子の発現効率を高めるか。
1.LEWラットの肝臓をコラゲナーゼ溶液で還流した上、分離培養。FK228を1ng/ml添加した48時間後にAdLacZに1時間感染させ、更に72時間後、X-gal染色により感染効率を検討した。FK228添加群とコントロール群に感染効率の差は認めなかった。
2.LEWラットの尾静脈よりAdLacZを1×10^9pfu及びFK228を15mg/mg投与し、4日目に犠牲死させ肝臓の遺伝子導入効率を組織切片のX-gal染色により検討した。FK228を加えないコントロール群と比較し、感染効率に差は無かった。
今回の実験ではFK228によるアデノウイルスの遺伝子導入効率の向上効果は認められなかった。これは、ラット肝臓ではCARが元来強発現しているためにFK228の相乗効果が得られがたい可能性が考えられた。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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