研究課題/領域番号 |
14657277
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
砂村 眞琴 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10201584)
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研究分担者 |
江川 新一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00270679)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
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キーワード | drug delivery system / 変異アデノウイルス / skinfold chamber |
研究概要 |
1)癌細胞のみを特異的に認識する変異ウイルス(AxE1AdB)の作製 癌細胞を特異的に破壊する治療戦略として、P53経路に異常のある癌細胞でのみ増殖可能なE1B55k欠失変異アデノウイルス(AxE1AdB)を作製した。 2)AxE1AdBの抗腫瘍効果 AxE1AdBはP53異常の存在する癌細胞株で増殖し強力な抗腫瘍効果を示した。さらにAxE1AdBにIL-2遺伝子導入用の非増殖型アデノウイルスベクターを共感染させると癌細胞に強いIL-2発現が誘導され、AxE1AdB単独では見られない腫瘍の完全退縮がマウスモデルで観察された。 2)Drug Delivery System (DDS)としてのAxE1AdB AxE1AdBに大腸菌由来の5FU変換酵素(UPRT)遺伝子を組み込みAxE1AdB-UPRTを作製し、5FU投与にAxE1AdB-UPRTを組み合わせた遺伝子化学療法の効果をマウス癌性腹膜炎モデルで検討した。従来の非増殖型アデノウイルスを用いUPRT遺伝子を導入する5FU遺伝子化学療法に比較し、AxE1AdB-UPRTによる5FU遺伝子化学療法では抗腫瘍効果が著明に増強するとともに副作用が軽減した。 3)マウス背部に作製したskinfold chamberを用いた実験 腫瘍へのDDSの集積性を評価するためにskinfold chamberを作製し、chamber内へ腫瘍を移植した後、血管新生過程と腫瘍増殖を観察した。DDSとしてのウイルスの効果が確認できた。血管内皮前駆細胞との効果の比較を検討している。
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