研究課題/領域番号 |
14657285
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
山内 清明 香川医科大学, 医学部, 教授 (00291427)
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研究分担者 |
中村 隆範 香川医科大学, 医学部, 教授 (70183887)
横見瀬 裕保 香川医科大学, 医学部, 教授 (80231728)
平島 光臣 香川医科大学, 医学部, 教授 (70109700)
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キーワード | ガレクチン9 / 遠隔転移 / 肥満細胞 / 乳癌 |
研究概要 |
我々はガラクトシド結合蛋白ガレクチン9が、乳癌においてリンパ節転移(n因子)よりも正確でかつ浸潤抑制機能を有する転移予知因子であることを乳癌手術症例67例におけるガレクチン9発現と遠隔転移との関連から見いだしたが、今回症例数を87例まで増やして検討した。その結果、ガレクチン9陽性率は54%で、遠隔転移症例22例中19例はガレクチン9陰性であった。またKaplan-Meier法による非転移累積生存率もガレクチン9陽性症例の方が陰性症例より有意に良好であった(p=0.0001)。さらにリンパ節転移陽性症例においてもガレクチン9が陽性であれば遠隔転移率はリンパ節転移陰性症例との差を認めなかった。多変量解析においてもCoxの比例ハザードモデルでは相対危険率はn因子よりも高く(14.1vs5.3)、かつn因子とは独立していた。ガレクチン9の転移抑制機能を調べるために、ガレクチン9遺伝子を導入した乳癌細胞をヌードマウスに移植したところ、腫瘍細胞は凝集して増殖したが、コントロールベクターを導入した細胞は硬癌様に間質内に浸潤したことから、ガレクチン9は細胞凝集を誘導することで転移を抑制する可能性が示唆された。また分子レベルでガレクチン9の細胞凝集誘導機能を明らかにするためにガレクチン9と糖鎖結合性を有する分子を同定した。一方ガレクチン9導入細胞により構築された腫瘍内および周囲にはガレクチン9を高発現した肥満細胞が数多く存在していたことから、現在ガレクチン9による肥満細胞遊走活性を検討中である。
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