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2003 年度 実績報告書

ナノスフィアのゲル化速度最適化の分子設計による非生体材料由来組織接着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14657291
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

西田 博  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50147427)

研究分担者 富澤 康子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
横山 昌幸  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20220577)
キーワード組織接着剤 / 高分子ミセル / ポリリシン / アミノ基 / アルデヒド基 / シフ結合
研究概要

【方法】1)接着剤の概要:ポリエチレングリコール(PEG)とポリD,L乳酸からなるブロックコポリマーでPEG側末端がアルデヒド基の高分子ミセル(分子量9500)を作成。この高分子ミセルと反応させゲルを形成する塩基性高分子として一級アミノ基を有するポリアリルアミンあるいはポリ(L-リシン)を用いた。2)in vitro試験:両者を37度でマグネチックスターラーで攪拌混合し凝固速度と硬さを観察。高分子ミセル溶液濃度(5,10%),塩基性高分子の分子量(ポリアリルアミン:0.5,1.5,6,15万,ポリ(L-リシン):3,70万),溶液の濃度(0.5,1.0,2.0%),pHを変動させ至適条件を求めた。3)in vivo試験:マウスの肝刺創面及び腹膜面における止血有効性をフィブリン接着剤を対照とし比較。【結果】1)in vitro試験:至適pHはポリアリルアミンでは7.0〜9.6でこれより高いと反応性が高すぎ沈殿は形成するがゲル化しなかった。ポリリシンでは9.0〜10.0が至適であった。分子量はポリアリルアミンでは15万と大きいほど強固なゲルを形成し,ポリリシンでは3万ではゲルを形成せず70万の時にすばやくゲル化することがわかった。粘度はゲルが形成される条件では全て測定限界の40mPas以上を示し,粘度30mPasに到達する時間は凝固実験での至適条件でポリアリルアミンでは2秒以内であったが,ポリリシンでは3〜8秒とやや長時間を要した。至適条件は高分子ミセル濃度10%,ポリアリルアミン分子量15万,濃度1.0%,pH8.0で約1秒でゲルが形成された。ポリ(L-リシシ)を用いても同様なゲル形成挙動を観察した。2)in vitro実験:市販のフィブリン接着剤とほぼ同等の接着性とゲル形成性が確認された。【結論】末端アルデヒド高分子ミセル溶液とアミノ基を有するポリマーによる合成接着剤の有用性が確認された。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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