研究課題/領域番号 |
14657293
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研究機関 | 国立成育医療センター(研究所) |
研究代表者 |
梨井 康 国立成育医療センター研究所, 移植・外科研究部, 室長 (60321890)
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研究分担者 |
奥山 虎之 国立成育医療センター研究所, 遺伝診療科, 医長 (40177192)
鈴木 盛一 国立成育医療センター研究所, 移植・外科研究部, 部長 (00111386)
藤野 真之 防衛医科大学校, 公衆衛生講座, 助手
江端 智彦 順天堂大学, 医学部・免疫学講座, 助手 (30343487)
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キーワード | 再生医学 / 臍帯血 / 肝細胞 / 造血幹細胞 / 肝障害 / アデノウィルスベクター |
研究概要 |
本年度の研究では、(1)造血幹細胞の分離方法確立の検討:分娩後必要となくなったヒト臍帯血の採取方法についての検討を行い、安全で良好な臍帯血の採取方法を確立した。また、採取した臍帯血の保存方法や運搬方法について検討を行い、質のよい臍帯血の管理技術を確立した。臍帯血からの造血幹細胞の分離システムは、Auto MACS(自動磁気分離装置)を用い、分離後FACS解析及び細胞染色によって精度を確認した。分離精製した造血幹細胞は、99%の高精度のものが得られ、その細胞の性質として核が向き出しであり、細胞表面にFas抗原を持たないという特徴が確認できた。(2)造血幹細胞の分化能の確認:NOD/Scidマウスに5.0×10^4cellsを静脈投与し、術後2〜3ヶ月後に骨髄と脾臓を摘出し、細胞を抗ヒトCD45で染色し、FACSにて解析を行い、術後2〜3ヶ月後の骨髄と脾臓において24.56%、24.68%、31.41%、15.68%と長期にわたるにつれ血球系細胞が増加し、一方、CD34-細胞を投与したマウスでは検出されなかったことがわかた。以上により造血幹細胞の分離システムが確立された。(3)生体内での造血幹細胞から肝細胞に分化しやすい宿主肝臓環境作りの検討:アデノウイルスベクターFasL遺伝子導入により肝臓の障害を確認したところ、肝障害を起こしていることが確認できたことから、適切な量で行えば肝臓障害の方法として使用できることがわかった。また、アデノウイルスベクターAntisense c-mycによる遺伝子導入の検討では、宿主の肝臓がFasLによる肝障害後増殖している細胞が顕著に少ないことから、肝再生が抑制されていることがわかった。上記二種類遺伝子導入による造血幹細胞分化しやすい環境出来ると判明した。
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