研究概要 |
1.生検組織を用いた電気生理学的検討システムの確立 University of California, SanDiego, Department of Gastroenterology のJ. Isenberg教授の協力のもと生検組織を用いて電気生理学的な検討をするためのシステムを確立した。Ussing Chamberはsliderを変えることにより生検組織、細胞株monolayer、ヒトを含めた各種動物組織に対応するPhysilogic Instruments社製のものとした。ラット大腸組織および小腸粘膜組織においてシステムが働くことを確認した後、ヒト生検組織を用いて実際の手順や輸送方法について検討した。その結果、サンプルは氷冷マンニトール液に入れ可及的すみやかにchamberにマウントすることにより十分なviabilityが確保されることが確かめられた。 2.倫理委員会への申請と許可 ヒト生検組織をもちいる本プロジェクトについて本学倫理委員会に申請し承認された。 3.生検組織からのレーザーカプチャー法によるRNAおよび蛋白質の精製 結腸切除症例の摘出標本より、生検鉗子にて摘出後すみやかに回腸および大腸組織を採取、OCTコンパウンドに包理しイソペンタンにて凍結、マイナス80度にて検体を保存した。レーザーカプチャーマイクロダイセクション法により上皮細胞分画を採取、RNAを抽出しhouse keeping分子の発現を確認した。当初予定していた蛋白の抽出とウエスタンブロットによる標的蛋白の同定の試みは未だ施行していない。また、ヒト回腸パウチより生検組織の採取し、上記の方法にて検体を集積している。
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